きのしたこうだい

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世界に「なんでやねん!」とツッコみ続けたい

私の暮らしているルワンダ共和国は現在、どうやら雨季を迎えているらしい。 まだこちらに来て2ヶ月弱しか経っていないので断定はできない。けれど日本の夏のように、青に青を乗せたような空を仰げることは少なく、常に薄雲が張っているような空模様の日が多い。 だけどこの前、ひさびさ濃い青空を見ることができて、広い空を呆然と見上げていた。「自分はちっぽけだ」と感じた。 そしてこのときは続けて、「この世界ってなに?」と、ふと、不思議に感じてしまった。ちっぽけな自分がいるこの世界はいったいなん

    • "明らかに見る"まで諦めないで

      大人になると、多くのことを知り、目線も上がっていく。 自分の能力、あるいは置かれている立場も、ある程度は客観的に捉えられるようになる。そうなっていくにつれて、「もうダメだ…」と、何かとあきらめる機会も増えていったように感じる。 けれども、自分がしてきた《あきらめ》の中で、本当の意味で《あきらめ》と言えるものは、とても少ないんじゃないか。近ごろ、昔読んだ本の一節をふと思い出して、そう思うことがあった。 何かの本で読んだのだけれど《諦める》という言葉は、《明らかに見る》という文

      • 誇っていいはず

        今週から、アフリカ東部に位置するルワンダという国の地方行政機関で活動している。 まだ活動がはじまってから数日、私はこの国であと1年11ヶ月活動する予定なので、まだまだこれからが本番という段階だ。 だけれど正直にいうと、かなりしんどい。つらいと感じている。 おそらく、体力的なものによるところも大きい。なんせ異国の地で暮らしているんだ。 衣食住が日本とまったく異なることはもちろん、知っている人がだれもいない。自分のことをだれも知らない。そんな環境に飛び込んでいくのだから、当た

        • 令和における農業・農村の新たな役割とは?

          この写真は、私の地元の田園風景をおさめたものです。小さい頃からこの風景の中で育ってきました。 四季折々の風が薫る、大好きな場所です。 そのようなご縁もあり、大学卒業後から25歳の現在まで農業や農村に関わる仕事に就いています。 今月からアフリカに住んでいますが、日本の現場に身をおいていたものとして、農業・農村を取り巻く環境が、大きな変化の中にあることを、肌で感じていました。 この記事は、食料生産にとどまらない農業や農村の役割とはどのようなものなのか?私の考えを記したものです。

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          いい時もわるい時も、この人は自分だ

          「いい時もわるい時も自分だ」 ふとそう思った。この前、野暮用の帰りがけにふと虹を見かけて、この言葉が浮かんだ。いい言葉だと思った。 いつも同じようなペースで日々を送っていくということが苦手だ。 他の人が気にもとめないような些細なことに過敏に反応してしまう。気持ちの浮き沈みがある。環境の変化があったり、嫌なことがあったりしたらなおさらだ。 そんな自分が、決して嫌というわけではない。むしろ喜怒哀楽、人生を味わいながら生活できていると思っている。 けど、感情に振り回されて、思っ

          いい時もわるい時も、この人は自分だ

          母国語が日本語でよかった

          母国が日本でよかったのかはよくわからないけど、母国語が日本語でよかった、とは思う。 英語や他の国の言語も学んだこともあるし、今も学んでいる。けれど、かすかな心の機微や相手を推し量るということを、細やかに捉えることができるということに関しては、日本語ほど緻密な言語はないと感じる。 少なくとも、私の英語の話力では自分の気持ちや伝えたいことをほとんど伝えることができない。もちろん、英語が上手ではないことが大きな要因の1つだ。そのうえで、英語という言語体系のバックグラウンド、とで

          母国語が日本語でよかった

          名言集が苦手

          私事なのですが、先日、アフリカのルワンダ共和国という国へやってきました。これから2年間暮らしていく国です。 とはいえひとまず、今日は名言集が苦手だということについて、こちらに記しながら考えてみたい。 私は自己啓発系の本は全体的に苦手だけど、特に名言集は苦手だ。最初に強調しておきたいのは、”私”が苦手なだけだということ。 実際にはこの手の本に勇気やパワーをもらう人もいることも知っている。そしてそれは素敵なことで単に好みの問題だ。というか問題ですらない。 そのうえで、私自信が名

          夜が明けたらアフリカへ

          夜が明けたら、私は日本を離れ遠いアフリカの国へ向かう。 平静を装っていても、やっぱり平静ではない。 それならいっそ、今しか感じることのできない心の機微をとらえて、ここに記しておこうと思う。 会いたい人にたくさん会えてよかった まず思うことは、会いたいけど会えていなかった人たちに会えてよかったことだ。長らく会っていなかった友達にも会えた。久しぶりに会うとなんだか緊張してしまうけど、気づけば昔と変わらないバカな話をしていた。それが嬉しかった。 多くの人も経験することだと思うけ

          夜が明けたらアフリカへ

          大切な曲はここぞって時にだけ聴く

          どんなに大好きな食べ物も毎日食べていたら、それが当たり前になってあきてしまう。どんなにお気に入りの服でも毎日着ていたら、違う服も着てみたくなるはずだ。 同じように、大切な曲も毎日聞いていたら、その魔力?のようなものがだんだんと薄れてしまうような気がして、あえて普段は聴かないようにしている。 大切な曲というのは、大好きな曲とはまた違う。もちろん、好きなアーティストの曲はほぼ毎日だって聴いている。私のいう大切な曲の定義は、人生の岐路に立たされた時や、重圧で押しつぶされそうな大一

          大切な曲はここぞって時にだけ聴く

          頑張れたらそうしたいよ

          この一節は真理を歌っている。そう思う。 こんな短い詞で、普段は意識しないけど、言われてみると共感できることを表現できる。 やっぱりアーティストは羨ましい感性だ。 自分にもこんな時があるし、きっと誰にだってこんな時がある。だから優しくなりたいと思えるような歌詞だと思います。 頑張っている人は素敵です。目標や夢に向かって努力することは素晴らしいです。そんな人を応援したくなるし、多くの人は自分もそうなりたいと思っているはず。努力しない人を見ると、怠けているように見える。 でも

          頑張れたらそうしたいよ

          土木とは、人に寄り添う技術

          皆さんは、"土木"と聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか? 巨大なダム、壮観な橋、私たちが毎日歩いている道路、これらはすべて土木技術によって造成されている施設です。 多くの人は、土木が生活インフラを支える大切な技術ということを知っていると思います。一方で、土木という言葉の響きに、肉体労働や土臭いようなイメージを持つ人も多いのではないでしょうか? 私自身も土木と聞くと、タバコを吸いながら鉄筋を担ぐおっちゃんのイメージが頭に浮かびます。 近年、土木・建築関係に従事する労働者

          土木とは、人に寄り添う技術

          私がJICA海外協力隊参加に至るまで

          私はこの9月から、JICA海外協力隊としてアフリカ東部に位置するルワンダ共和国という国に派遣となる予定だ。 出国を控えてブルーになっているイミングで私の選択の軌跡を振り返ってみることで、今の気持ちを整理するとともに、派遣への決意を新たにしてみたい。 だからこの記事は、とても内省的でパーソナルな内容になっていることをあらかじめご了承ください。得られるものは何一つありません。自己満足です。それでも読んでくださるのなら、嬉しいです。 学生時代入学 私は、某内陸県の片田舎に生ま

          私がJICA海外協力隊参加に至るまで

          金メダリストになれなくても

          先日、パリオリンピックが閉会した。 血のにじむような努力の末に金メダルを獲得した選手、惜しくもメダルには届かなかった選手、思わぬ不幸やアクシデントに見舞われた選手、それぞれの結果がそれぞれにある。不本意な結果に終わってしまった選手もいるだろう。でも私は、そのような選手たちこそたたえたいと思うし、私自身もそのような選手たちの姿に励まされる。 オリンピックに出場する多くの選手は、金メダルを目指して励んでいる。もちろん、実力や世界ランクを鑑みて、ベスト8進出や一回戦突破を目指す選

          金メダリストになれなくても

          ゆく川の流れ

          ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。 鴨長明が記した方丈記の冒頭、世の中の無常を表す一節として有名だ。 ゆく川の流れは時だ。常に流れていくもので、止まることはない。それはもうどうすることもできない。時が川の流れだとしたら、私たちは川底の石だと思う。ただ時の流れにさらされ続けるだけだ。流れを止めることはできないし、早めることもできない。ただ、そこに在る。人生を歩むだとかいうけれど、歩んでいるわけではなく、時がこちらへやってきて過ぎてゆく。 未来へと進んでいく。

          言葉をつかうこと

          言葉は、人の心をどれくらい捉えることができているのか。 思っていることの大半は、言葉にした時点ですでにずれている。だからどれだけ近づいたとしても、本心が相手に届くことはない。と思う。 そんなことを考えてもどうしようもないし意味もない。だけど、だからこそ、分かり合えるようになれたらいいなと思う。そのために歩み寄っていきたい。 生活の中で、どうしても打算的にならないといけないこともあるし、汚いこともたくさんやってきた。 特に仕事についてはそうだ。根回ししたり、嘘をついたり、それ

          言葉をつかうこと

          読書は光

          読書が好きだ。場所も時も越えて、誰かの心へ近づくことができる。僕にとってはとても素晴らしいことだ。好きなことに理屈はいらない。ただ、笑っていればいいんだと思う。ニヒルに構えたくなることもあるけどね。 誰かの心に近づくことができたとしても、決して、触れることはできないのかもしれない。同じ本を読んでも、同じ感想を抱くことがないように。読者の感想が、作者の思いと完全には一致しないように。だから、ニヒルに構えたくなることもある。 ともすれば、読書は、作者の心に近づけるものでは