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さやかな

アイドルになったサヤちゃんがテレビで見れる。
そうチャーミーが言っていた。
「おい。チャーミー。本当にサヤちゃんが出るんだろうな?」
あるバラエティ番組に出るらしい。アイドルユニットが1つの曲を出すまでの過程を追う……どこかで見たような番組だ。
「うん。ほんとほんと」チャーミーのやる気のなさそうな返事。
「そういえば、なんでサヤちゃんがそのアイドル番組に出るって知っていたんだ?」
「え?俺が魔法使えるの忘れてない?」
「いや、そりゃ、そうだけど……」
「彼女がアイドルに戻りたいって言うから……」
「戻りたいって……えぇっ!アイドルだったの⁉︎」話の腰をポッキリ折られる。
「らしいよ?色々あって、休んでいたらしいけど。CMにも出ていたんだって。見た事ない?」
「ない。僕はAV女優以外は興味ないんだ」滑らかにクズ発言。
「……そういうところだぞ?お前がモテない理由」
「みんなに愛されるより1人にヤンデレされたい」
「すごいねー。野呂亮くんは」もちろん、呆れた方の意味で。棒読みにもなる。
「で、休んでいた彼女がアイドルに復帰した件と、チャーミーにどんな関係があるの?」
「それは、どこかの誰かさんが警察に相談されないよう根回ししてきたからだよ。その引き換え?に彼女をアイドルに戻すって取引になった感じかな?うん」
「チャーミーは何か勘違いしているね。僕の行為は……そう。孔雀の羽広げ……ただの求愛表現だよ」犯罪?の自覚がない奴の発言ってヤバいよね?
「まー……野呂亮くんにつっこんでいると話が進まん!で、アイドルに戻るにあたって、より売れるためには、新しい方向性、続けられる方向性がアイドルに戻るにあたって、先のことも考えるといいんじゃないか? そう彼女に言ったのよ」
「うん。それで?」
「2人で話しあった……もちろん、彼女の理想を最優先した結果が……今から見れる」
「マジかー。楽しみすぎるだろー!」

番組が始まり、進行する。
そして、サヤちゃんが出てくる。
以前とはだいぶ違った姿で。

髪型などは以前と変わりないが、肌が褐色になり、筋肉が際立ち、ヘソだししているが、女の子らしい柔らかな肌とか、小さなおへそ……ではなくシックスパックにどうしても目が入ってしまう。隣にもう1人似たような筋肉隆々とした女の子がいた。
「サヤです!」
「カナです!」
「「サヤカナです!筋肉は裏切らない!!」」
筋肉を魅せるポージングをする2人。どんなポーズかは各自テキトーに想像に補ってほしい。

「……………何これ???」
「サヤちゃんと、双子のお姉さんカナちゃんのボディビルダーアイドルタッグ、サヤカナだけど?」当然でしょ?みたいな顔。
「彼女の中の理想とか、新しい方向性とか、続けられる方向性とかおっしゃってませんでした?」
「強い女になりたいっていう理想と、ボディビルダーアイドルっていう新しい方向性、アイドルは食事制限や運動もするから継続できる方向性でしょう?」
「いやいやいやいや、そうはならないでしょ?!」
「話し合った結果なんだからしょうがねーだろ!!」
テレビの中のサヤちゃんと、カナちゃんがリンゴを次々と握りつぶしていた。握りつぶしたリンゴでジュースを作ると言う一発芸。
「果汁100%ですよー。あははー」超爽やかな笑顔の姉妹。
「えー? 嘘でしょー?サヤちゃーん」テレビの中にサヤちゃんに嘆くような野呂亮。
「今後はYouTubeとかでダイエットやボディメイク系の食事、運動、知識を披露していく計画らしいよ?」
「サヤちゃーーーん」
野呂亮の嘆く声がうるさかった。


2024年 文披31題 day14 さやかな

後書き
正直、このネタのためだけに「サヤちゃん」って名前にしました。アイドル設定もこのためですねー。今後の登場予定は作者も存じません。
こんな書き方になりましたが、実際のボディビルダーの女性は独特の良さがあると思います。伝わっていないようなら、ひとえに作者の筆力のせい、作風のせいだと思っていただきたくおもいます。ご容赦のほどよろしくお願い申し上げます。

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