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マグヌッセンの復帰によってわかるミック・シューマッハの速さ

※この投稿は「F1ラップタイム研究室」ホームページに投稿したコラムとほぼ同内容の記事となっています。

 マゼピンの離脱により、後任には2020年までハースで走っていたマグヌッセンが復帰することになった。今回はマグヌッセンの実力を見極めると共に、ミック・シューマッハが対チームメイトでどの程度の戦績を残すことが今後のキャリアを切り拓いて行くことに繋がるか考えてみよう。

1. マグヌッセンの予選一発

 マグヌッセンの予選でのスピードは、デビューイヤーのvsバトン、ハース時代のvsグロージャンを通して考察することができる。

 ラップタイム研究室では2000年以降に上位を争ったドライバーやそのチームメイトらについて同様の比較を行い、間接的な比較を通して予選一発の競争力を割り出した。これにより比較対象のグロージャンやバトンの力もある程度正確に把握することができる。

 以下がその結論だ。(分析内容はこちら

表1トップドライバー達の予選での力関係

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(最上部のM.シューマッハはミハエル)

 マグヌッセンはデビューイヤーにバトンと互角or僅差で上回り、2017年以降はグロージャンと互角だった。そもそもグロージャンは、ロータス時代マルドナードより速く、ライコネンと互角の速さを示しており、非常に速いドライバーだ。よって、グロージャンと互角であることはマグヌッセンの一発はトップドライバー級ということになる。

 レースペースを見ないことには正確な力関係は割り出せないが、大まかに見た印象ではマグヌッセンvsグロージャンも、グロージャンvsライコネンもどちらかがレースで極端に失速する展開は見られなかったため、概ね信じて良い数値と考えられる。
 ※レースペース分析は今後2年ほどかけて行う予定

2. シューマッハはマグヌッセンを上回る必要あり

 その上で、ミック・シューマッハには何が求められるだろうか?

 まずフェラーリに移籍するならば、ルクレールとサインツのどちらかを上回っている必要がある。2人とも(特にサインツは)サンプル数が少ないため今後数年の傾向を洞察する必要があるが、ルクレールの表1の位置を信じ、サインツもその近辺にいるとすると、シューマッハはマグヌッセンを0.2~0.3秒ほど上回らなければ厳しいだろう。

 もちろん予選で0.1秒差程度でも、アロンソやハミルトンのようにレースを重視して圧倒的な強さを示しても良いだろう。いずれにせよ、総合力でマグヌッセンを明確に上回ることは必至だと思われる。

 近年のF2卒業生であるルクレールやラッセル、アルボン、ノリスらは非常に高い競争力を示しており、彼らと直接渡り合ったわけではないものの、F2でチャンピオンを獲得したシューマッハにはそれだけのポテンシャルがあることは十分に考えられる。今後2年の走りは大注目ポイントと言えるだろう。

Writer: Takumi


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