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ChatGPT(GPT-4)は普通のおっさんの仕事には役立たない、という視点

ChatGPT、皆さん使ってますか?

私はめっちゃ使ってます。GPT-4が出た初日に課金して以来、毎日GPT-4中心にがっつり使っております。
使ってますが、「今の段階では」普通のおっさんの仕事ではなかなか役に立たないなあ、というのが1ヶ月弱めっちゃ色々触ってみた感想です。

正直、現状では仕事ではあまり役に立たない

私は若いころ「ネットに転がっている情報では勝負にならなくなってからが仕事の本番」と考えていましたが、今になってもそんなに間違っていなかったと感じています。あれから"ネット上に転がっている情報"も様変わりしましたが、傾向としてはあまり変わっていないでしょう。

そのネット情報の集合体である(だけじゃないですが)ChatGPTではやはり得られる情報に限界があると感じます。

マーケティングやマネジメントの基礎理論的な事柄、それぞれの繋がり、一般論レベルの業界知識、何らかの戦略に対する一般論を羅列する、こういうものには大変役に立ちます。
しかし、おっさんになるとその辺りはわりと前提の状態になってしまっており、よりディープな情報が必要になります。

たとえば、「〇〇市の機械メーカーの工場でラインを拡張するのに使える自治体や国の補助金は?」「販売チャネルAとBへ既存のCから変更した際にCがどの程度敵対的になるか? エンドやその他既存ビジネスへの影響をCに関係する企業の特性も含めて分析してほしい」というくらい現実的な質問に答えてほしいのです。本当はこの例よりもっと複雑・複合的かつ個別の具体事例が聞きたいです。

ChatGPTではこういうのを聞いてもハルシネーションか一般論で終わりです。
付加的な部分で使えるところはもちろんあるのですが、コアのところでは役に立たないな、というのが現時点での私の結論です。

ChatGPTに入っているデータが2021年時点のものであり、予測や固有名詞に関する言及を避ける傾向が強めにチューニングされており、情報のインプットが現状では難しいところ、がネックなのかと考えられます。Pluginや規約等々の整備で解消できることを願っております。

聞き方の問題かな、とプロンプトエンジニアリングと言われる方面もそれなりに勉強しました。この辺りはまた別の記事にしたいですが、そういうものでは解消しませんでした。

ITについては別

IT方面でのChatGPTはすごいですね! 特にコーディングは本当に助かります。手軽にやったことないようなものでも実現できますし、やった事があるようなものも大変時短になります。
そういう意味では、間接的には私も仕事の役に立っております。

この前キャプチャしたパケットのバイナリ貼り付けたら普通に読み取ってくれて驚きました。コンピュータと会話してる感すごかったです。

まだある程度「わかっている人」でないと使えない感じですが、遠からず本当に全く知識のない人が「こんなの欲しい」というだけで使い物になるレベルのアプリが出来上がる世の中が来るかもしれません。(運用とか色々課題もあるでしょうが、Excelマクロくらいの位置にWebアプリなんかがなるかもですね。ノーコード系のライバルになっていくでしょうか)

ChatGPTというかOpenAI APIですが、いろんなサービスを公開している方々もいらっしゃいますし、Auto-GPTみたいな意欲的な取り組みもありますね。Pluginにも期待大です。

私が個人的に便利だなと思っている用途は、IT方面と英語方面が中心です。こういう方面ではとても役立ってます。

そもそも「仕事で使える」とは?

ふたつの意味があると思っています。

  1. 現在の仕事が良く進められるようになる

  2. それそのものが仕事になる

先ほどあげた例は1の方ですね。
ほかにもExcel作業の効率化とか、パワポの下書き作ってもらうとか、単純なレベルから色々あるとは思います。
PC上作業の効率化は、Microsoftが上手いことやれば大変革命的な改善が為されるでしょう。それ待ちですね。ただし横並びになるので競争力の源泉にはなりません。この辺りすごく大事なところで、また別で記事書いてみたいと考えてます。

2の方は、サービスやプラグインを作っている人は直接的にこちらですね。
そのほか、アウトプット、ソリューション、プロダクト、サービス、といったものに直接的にその機能を組み込んだりして活かすことです。
個人的には、顧客などに提案するソリューションの一端にこのGPT4ないしそれ以降のものを組み入れてこれまでできなかったベネフィットを提供できる様にしたい思っています。特にいくつかの社会課題に対してですね。

普通のおっさんが仕事で使える様になるには?

前述の様な個別具体的な要求に直接答えられるようになる必要は無く(なったらもちろんすばらしいですが)、とにかく「安全なデータのインプット・処理・アウトプット」の実現、これにつきるでしょう。

オプトアウトなどありますが、現状だと機能面と規約面と信頼性の面で難しいです。そう、特に信頼という部分があります。この意味でMicrosoftの役割と責任は重大でしょう。普通の会社のこの辺りの感覚もまた別の折に触れたいですね。

チャットで指定できる役割の定型化も、いまよりももう少ししっかりとできたほうが良いでしょう。よろず目的チャット相手以外の役割を持たせたい際には必要になります。OpenAI APIのChatの方でいう「system」にあたる部分の強化ですね。

まとめ

実際には普通のおっさんにもいろんな人がいるので、現状でコアな業務に役立っている方もいるでしょうし、私みたいにあまり使えないなあという感想の方もいるでしょう。うまい使い方はどんどん調べて取り入れていきたいです。

タイトルに「視点」と書いたのは、少なくともこういう私みたいなタイプのおっさんが少なからずいて、そういう人が企業の中にいて、サービス提供側が日本のマーケットを狙うつもりがあるなら認識しておいた方が良いよ、という事を広く伝えたかったためです。

私はITの素養が多少なりともあり、個人的な趣味も兼ねてAIを追いかけるつもりなので普通のおっさんの中では特殊です。
普通の人は本当にまだ興味のカケラもないと思った方が良いです。AI、思った以上に浸透していません。

普通の人はAIを使ったWebサービスを探してみるなんてことはしませんし、ChatGPTも使ったことがある人はかなりの少数派です。ましてや会社から言われてもいないのに仕事に使っていこうなんて思いもしません。PCやソフトは与えられたものを使うものだと思っています。

サービスを提供する側は自らの周辺で盛り上がっているだけに温度差からそういった視点を持たないかもしれない、と思って書いてみました。
(コンシューマー向けや海外相手にやっていくならあまり考えなくとも良いかもしれませんね)

逆に言うと、そこに対応できるソリューションが揃いさえすれば、そこには仕事とお金がたくさん眠っていると思います。そういう意味でも、Webやスマホの出始めに似ていますね。

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