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【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」⑥栗山町 蝦夷ノ富士醸造 池下さん ~「麹って可能性のかたまりなんです」なまら麹愛で人々の暮らしを繋ぐ~

組織のなかで、マチのなかで、もがきながらも新たなチャレンジをしているひとを紹介する「この人、エーゾ」。今回ご紹介するのは、池下雄介さん。
北海道長沼町の出身、4代続く醸造屋から独立して栗山町で起業、ひとたび麹を語り始めると情熱が止まらない麹職人です。

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池下雄介(いけしたゆうすけ):合同会社蝦夷ノ富士醸造代表社員、2016年起業。1985年長沼町出身。妻、長女、長男、チャウチャウ犬の4人と1匹暮らし。趣味釣り。

婆ちゃんの作った漬物樽がすぐそばにあって。そんな環境で育ちました。
麹のことばかり話ちゃうけどいいですか?止まらない!インタビュー前からあふれ出す「麹愛」!(笑)麴からできる醤油やぽん酢、加工品はみんなとつながるツール。
海外では「トリュフのような香り!」世界に羽ばたく米麹。
世界一の麹屋になって恩返しがしたい。
家族の歴史を麹で繋いでいく池下さんにお話を伺いました。

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婆ちゃんの作った漬物樽がすぐそばに、麹が生活の一部だった池下さんにとって衝撃の「麹?何に使うの?」

蝦夷ノ富士醸造がある栗山町は北の錦で有名な小林酒造や谷田製菓株式会社など商売の歴史のある町。また夕張から近いこともあり炭鉱で栄えた時代があったり、北海道の空の玄関口千歳空港がからも20分ほどで、「商売の土場があるのかな」と池下さんは話します。

池下さんは本社がある栗山町の隣の長沼町で生まれ育ちました。実家は長沼町で4代続く醸造会社で麹や醤油などを作っています。小さな時からずっと麹のそばで育ったという池下さんは次男でしたが、子供のころの作文にも「将来は麹を作る」と書いていたくらい、麹づくりは少年時代からの夢でした。毎年11月頃になると家族が飯寿司を仕込んで、正月には親戚みんなが集まって味噌を仕込むという池下家にとって、麹は本当に生活に近いところにある存在でした。麹を通して一家団欒や地域との繋がりが当たり前だった池下さんにとって、社会に出てみるとこんな風習がない家が多いことや、「麹?何に使うの?」という麹の認知度の低さや生活と離れているのだという現実を知ります。

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