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メキシコで見た深淵

もう数年前になるのですが、
休暇にメキシコを旅行しました。
学生時代に一度訪れていたので、それが二回目です。

メキシコと言えば、
「カルテルが幅を利かせる危険な国」
なんて風に思う方も多いのではないでしょうか。

私も初めて訪れる以前に抱いていたのは、
そこら中でバラバラの遺体が転がっているイメージ。
しかし私が主に滞在していたのは
リゾート地であるカンクン。
まったくそんなことはありませんでした。
残念ながら。


透き通った青いカリブ海
日本人にも合う、程よくスパイシーな料理
自然と調和した遺跡の数々
どこまでも陽気な人々

のんびりと過ごしてもよし
アクティブに過ごしてもよし
一度行けば、きっと誰もが虜に。
タコスの旨さは常軌を逸しています。


ここで、観光する中で特に印象に残った
二箇所を紹介させてください。

まずはチェチェンイッツア

いい具合にお空が神々しい

リゾート地から車で三時間ほどの場所。
広大なジャングルの中に
マヤ文明の遺跡が点在してるエリアです。
写真はその内の一つ、ククルカン神殿。
頂上では生贄の心臓が捧げられていたそうです。
素敵ですよね。

また球戯場が残されていまして、

こちらでは捕虜の生首をボール代わりに
蹴って盛り上がっていたそう。
しかも、勝ったチームのキャプテンは
生贄にされるという理不尽。
本当に素敵ですよね。

ちかくの別の神殿は上ることができるのですが、
そこからの眺めは絶景。まさに陸の孤島。


上ろうものなら足パンパンですよ


木しかねえ




そしてもう一箇所が、セノーテ。

地下へと続く怪しげな階段を下っていくと
はい素敵空間


水がたまり、湖のようになった洞窟のことです。
チェチェンイッツアにほど近いセノーテでは
泳ぐことができるのですが、
私の人生でも指折りの神秘体験となりました。

頭上から注ぐ陽の光が、
水の中に広がる洞窟世界を照らします。
青く澄んだ水面を漂っていると
この世の深淵とも思えるような薄暗い空間が
足元の向こう、遥か下方に
広がっているのが見えるのです。

底の見えない洞窟の暗闇に初めての、
それでいて根源的な恐怖を覚えます。
生物としての本能とでもいうのでしょうか。
高所恐怖症の方は泳がない方がいいでしょう。

しかし恐怖を覚える一方で
不思議な誘惑にかられます。
このまま息を止めて沈んでいけば
この世の真理に触れることができるのではないか。

五秒ほどで目を醒ました私は
ひとしきり泳いで洞窟を後にしましたが、
今でもあの深淵は私の心を捉えて離しません。

穴から差す陽射しが幻想的


後に聞いたところ、マヤ文明では
生贄をセノーテの底に沈めており、
神聖な霊的世界への入り口とされていたそう。

生贄とされた方は、遥か水中深くへと沈みゆく中
何を思ったのでしょう。
洞窟の底で真理に触れることはできたのでしょうか。

しっかしマヤ文明ってとんでもないですね。


こうして改めて振り返ると、私が書くお話は
少なからずこの旅から影響を受けている気がします。
もしくは変なお話ばかり書いていたから、
こうした観光地を好むのか。
鶏が先か卵が先か。


あちこちで見たイグアナ



これまでに二度も訪れているメキシコですが、
死ぬまでにもう一度行きたい、
そう思わされるぐらい魅力的な国です。
首都であるメキシコシティにも行ってみたい。

旅先でお悩みの方がいらっしゃいましたら
ぜひ検討してみてください。

ではでは~






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