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メキシコで見た深淵
もう数年前になるのですが、
休暇にメキシコを旅行しました。
学生時代に一度訪れていたので、それが二回目です。
メキシコと言えば、
「カルテルが幅を利かせる危険な国」
なんて風に思う方も多いのではないでしょうか。
私も初めて訪れる以前に抱いていたのは、
そこら中でバラバラの遺体が転がっているイメージ。
しかし私が主に滞在していたのは
リゾート地であるカンクン。
まったくそんなことはありませんでした。
残念ながら。
透き通った青いカリブ海
日本人にも合う、程よくスパイシーな料理
自然と調和した遺跡の数々
どこまでも陽気な人々
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のんびりと過ごしてもよし
アクティブに過ごしてもよし
一度行けば、きっと誰もが虜に。
タコスの旨さは常軌を逸しています。
ここで、観光する中で特に印象に残った
二箇所を紹介させてください。
まずはチェチェンイッツア
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リゾート地から車で三時間ほどの場所。
広大なジャングルの中に
マヤ文明の遺跡が点在してるエリアです。
写真はその内の一つ、ククルカン神殿。
頂上では生贄の心臓が捧げられていたそうです。
素敵ですよね。
また球戯場が残されていまして、
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こちらでは捕虜の生首をボール代わりに
蹴って盛り上がっていたそう。
しかも、勝ったチームのキャプテンは
生贄にされるという理不尽。
本当に素敵ですよね。
ちかくの別の神殿は上ることができるのですが、
そこからの眺めは絶景。まさに陸の孤島。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/118882794/picture_pc_068b00e1821ccf04e85df09f51bc5aa8.jpg?width=800)
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そしてもう一箇所が、セノーテ。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/118875890/picture_pc_10770c57fc7910c944ff6f6f39f99127.jpg?width=800)
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水がたまり、湖のようになった洞窟のことです。
チェチェンイッツアにほど近いセノーテでは
泳ぐことができるのですが、
私の人生でも指折りの神秘体験となりました。
頭上から注ぐ陽の光が、
水の中に広がる洞窟世界を照らします。
青く澄んだ水面を漂っていると
この世の深淵とも思えるような薄暗い空間が
足元の向こう、遥か下方に
広がっているのが見えるのです。
底の見えない洞窟の暗闇に初めての、
それでいて根源的な恐怖を覚えます。
生物としての本能とでもいうのでしょうか。
高所恐怖症の方は泳がない方がいいでしょう。
しかし恐怖を覚える一方で
不思議な誘惑にかられます。
このまま息を止めて沈んでいけば
この世の真理に触れることができるのではないか。
五秒ほどで目を醒ました私は
ひとしきり泳いで洞窟を後にしましたが、
今でもあの深淵は私の心を捉えて離しません。
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後に聞いたところ、マヤ文明では
生贄をセノーテの底に沈めており、
神聖な霊的世界への入り口とされていたそう。
生贄とされた方は、遥か水中深くへと沈みゆく中
何を思ったのでしょう。
洞窟の底で真理に触れることはできたのでしょうか。
しっかしマヤ文明ってとんでもないですね。
こうして改めて振り返ると、私が書くお話は
少なからずこの旅から影響を受けている気がします。
もしくは変なお話ばかり書いていたから、
こうした観光地を好むのか。
鶏が先か卵が先か。
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これまでに二度も訪れているメキシコですが、
死ぬまでにもう一度行きたい、
そう思わされるぐらい魅力的な国です。
首都であるメキシコシティにも行ってみたい。
旅先でお悩みの方がいらっしゃいましたら
ぜひ検討してみてください。
ではでは~
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