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小説 田舎行政書士 BCP策定最終回

小説 田舎行政書士 BCP策定最終回 http://www.pref.osaka.lg.jp/keieishi…/…/tyoukannibanbcp.html LATOV6FのセミナA室で「働き方改革」講習会が開催された。LATOVは地上1階-3階は商業施設、4階はいわき総合図書館、いわき駅前市民サービスセンター、6階はいわき産業創造館、いわき商工会議所、7階-8階はオフィス、地下1階-2階と1階に400台の駐車場で構成されている。いわき駅と2階部分がペデストリアンデッキで

    • 小説 田舎行政書士 BCP策定第19話

      小説 田舎行政書士 BCP策定第19話 PCを立ち上げメールをチェックすると感染対策センターからのメールがあった。 重要メールのマークがついていた。メールを大量に送信するため、感染症対策センターでも、必ず読んでほしいメールにマークをつけたのだろう。 メールの内容は、新型コロナウィルス専門外来の設置である。つまり、新型コロナウィルス水際対策が失敗したということである。 複数の市町村単位(第二次医療圏)で新型コロナウィルス専門外来を設置しなければならなくなった。 感染症

      • 小説 田舎行政書士 BCP策定第18話

        小説 田舎行政書士 BCP策定18話 https://www.intage.co.jp/gallery/hatarakikatakaikaku/ 弁護士事務所の中に税理士事務所と社会保険労務士事務所があった。 どうやら、伊藤社会保険労務士の姉が税理士らしい。 弁護士、税理士、社会保険労務士がいる弁護士事務所はワンストップサービスが完璧にできる。それも、弁護士、税理士、社会保険労務士が家族というから凄い。 弁護士は、税理、労務関係はあまり得意としていないので、税理士、社会

        • 小説 田舎行政書士 BCP策定第17話

          小説 田舎行政書士 BCP策定第17話 「目的に着きました。目的地は左側です。」江尻は車を止めた。左側を見るとセブンイレブンだった。 「あれ、バグったかな。」iphoneに表示されている写真を見ると、伊藤弁護士事務所の看板がセブンイレブンの2階にあった。 セブンイレブンの裏の階段で2階に上がって、伊藤弁護士事務所に入った。 「伊藤社会保険労務士に用事があって来ました。」女子事務員に名刺を渡すと待合室で待たされた。事務所はセブンイレブンの2階にあるとは思えないほど瀟洒な造

        小説 田舎行政書士 BCP策定最終回

          小説 田舎行政書士 BCP策定第16話

          小説 田舎行政書士 BCP策定16話 https://www.youtube.com/watch?v=0gM4dWVc0fM 県庁を出発してから約2時間で家に到着。時計を見ると午後4時半。まだ明るいうちに自宅に到着。車の音に気が付いて妻が玄関の戸を開けた。 「雪どうだった。?」妻が開口一番言った。 「大丈夫だったよ。」江尻は車のドアをリモコンで閉めた。 「あなたも大変ね。」妻が諦め顔で言った。 「仕方ないよ。断るわけにもいかないし。」江尻は家に入った。 「あ 暖かい。床暖

          小説 田舎行政書士 BCP策定第16話

          小説 田舎行政書士 BCP策定第15話

          小説 田舎行政書士 BCP策定第15話 着メロはツーコールで止まった。おそらく、妻からの電話だろう。 佐藤医務課長と西庁舎6Fで別れ、エレベータで2Fの県民ホールへ。県民ホールは、県民なら誰でも利用できる。簡易な喫茶店もある。 喫茶店でホットコーヒを注文。iphoneをチェック。やはり、妻からの電話の履歴があった。早速、電話の履歴をクリックすると電話が繋がった。 「あなた、今晩、雪らしい。福島に泊まったら。ビジネスホテル予約しておいたわ。県庁の隣のサンホテル。」妻の心配

          小説 田舎行政書士 BCP策定第15話

          小説 田舎行政書士 BCP策定第14話

          小説 田舎行政書士 BCP策定第14話 https://www.youtube.com/watch?v=NuKluSrbHik 「このことは、同時に、私たちの万人に対する連帯を定義する。私たちが各人の孤独の権利を守らなければならないからこそ、私たちはもはや決して孤独者にはならないだろう 」(カミュ「自由のテクスト」) 県に出向いてきたので、広田技監を訪問しなければならない。 江尻は佐藤医務課長を伴って西庁舎6Fの技監室に向かった。 正庁から西庁舎に向かう迷路のような通路

          小説 田舎行政書士 BCP策定第14話

          小説 田舎行政書士 BCP策定13話

          小説 田舎行政書士 BCP策定第13話 https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2020.01.30.927871v1 「これなんですが。」佐藤玲子はブランド物のクラッチバックから英文論文を江尻に手渡した。 「あ 日本語訳もあります。私が翻訳したんですが。」佐藤玲子は慌てたように翻訳文をバックから取り出した。 「エイズウィルスとの混合ウィルスなんてまさに「悪魔のウィルスだな。免疫がやられてしまうなんて・・・」江尻は論文を読み終えると絶

          小説 田舎行政書士 BCP策定13話

          小説 田舎行政書士 BCP策定12話

          小説 田舎行政書士 BCP策定第12話 https://www.youtube.com/watch?v=thQWqRDZj7E 江尻が佐藤玲子を知らないの当然のことなのである。江尻は、実際に佐藤玲子に会ったことがないからである。 江尻は、県の人事ファイルでしか佐藤玲子を知らない。人事ファイルによれば、佐藤玲子は東京理科大(中退)、茨城大学農学部農芸化学科、福島大学社会学部を卒業している。 最初私大の理科系の大学に入ったが、あまりの程度の低さに驚いて、国立大学の理科系に入

          小説 田舎行政書士 BCP策定12話

          小説 田舎行政書士 BCP策定11話

          午後2時から定例会議。どうやら、金曜日に定例会議があるらしい。 つまり、江尻は、金曜日に必ずに感染症対策センターに出勤しなければならない。 机の上にある会議資料を捲っていると、江尻を見る視線に気が付いた。視線を感じる方向に目をやると、美しい女性と視線が合った。 美しい女性は、江尻と視線が合うとにっこり微笑んだ。江尻は美しい女性に全く心当たりがなかった。江尻は視線をそらした。 「ともすると、BCPは危機管理に際しては忘れられがちですが大変重要であります。行政書士のマンパ

          小説 田舎行政書士 BCP策定11話

          小説 田舎行政書士 BCP策定第10話

          小説 田舎行政書士 BCP策定第10話 https://www.youtube.com/watch?v=gjA7WFzDKE0&t=85s 「神はサイコロ振らないか。」渡辺教授は江尻の顔をじっと見ながら言った。 「神はサイコロを振らない?」江尻は不思議そうな顔をしてオウム返しに言った。 「つまり、神のやることは、神の意志があって全て必然性があると言うことだよ。その結果が今回のコロナだよということだよ。僕もそんな気がする。」渡辺教授は自分に言い聞かせるように言った。 「

          小説 田舎行政書士 BCP策定第10話

          小説 田舎行政書士 BCP策定第9話

          小説 田舎行政書士 BCP策定第9話 ついに、江尻は「小説 ペスト」に「解決」を見つけた。 奇しくも、福島の感染症対策センターへ出発する日だった。江尻は「解決」を自分の心の中に固く封印した。 「あなた、自分が一番大切なのよ。死んでしまったら、元も子もないわよ。」車のエンジンをスタートさせ、車のドライブ席の窓をあけると妻が心配そうに言った。彼女は「実存的に生きる」人だった。 https://www.youtube.com/watch?v=ac--3anyeAI 江尻は車を

          小説 田舎行政書士 BCP策定第9話

          小説 田舎行政書士 BCP策定第8話

          とうとう、疑似症サーベイランスが始まった。各医療機関において、新型コロナウィルス感染症と思われる症例に対応した場合、保健所に届出しなければならなくなった。検査も地方の衛生研究所で実施できるようになった。 つまり、各都道府県が独自に新型コロナウィルス対策ができるようになったわけだ。問題は、各都道府県がマンパワーの関係で十分な対応ができるかということだ。 https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/PDF/wuhan_200110.pdf 地方

          小説 田舎行政書士 BCP策定第8話

          小説 田舎行政書士 BCP策定第7話

          小説 田舎行政書士 BCP策定第7話 「ルル・・・」電話の呼び出し音が聞こえる。 「はい。技監の広田ですが。」 「江尻ですが、直通電話にかけてすいません。」江尻は素直に電話の相手に詫びた。 「あ 江尻先輩。ご無沙汰しております。年賀状ありがとうございます。元気でやっております。」電話の相手の口調が丁寧になった。 「何時から、技監になられました。」江尻は言葉を継いだ。 「今年からです。知事から聞きました。江尻先輩の強い推薦があったと言われました。強い責任を感じており

          小説 田舎行政書士 BCP策定第7話

          小説 田舎行政書士 BCP策定第6話

          小説 田舎行政書士 BCP策定第6話 https://www.mhlw.go.jp/…/06-Seisakujouhou-10…/0000108628.pdf 目が覚めると、読みかけのカミュの小説「ペスト」があった。どうやら、小説を読んでいるうちに寝てしまったらしい。 新型コロナウィルス災害は「神による罰」なのか。それとも、我々は、神を否定し実存的に生きるのか。おそらく、そのどちらでもなく、新型コロナウィルスという「不条理」を受け止めて敢然と戦い続けることが必要なのではない

          小説 田舎行政書士 BCP策定第6話

          小説 田舎行政書士 BCP策定5話

          小説 田舎行政書士 BCP策定第5話 保健所から家に戻り、テレビ電源をオンにすると、相も変わらず、新型コロナウィルスのニュース。 「初めて、日本人が新型コロナウィルスに感染しました。」ニュースキャスターの声に、江尻は驚いた。 日本においても、ついに、感染爆発が始まったのである。 「ああ、ついに来たか。もう、家に引きこもるしかないな。」江尻は、思わずひとりごちた。 新型コロナウィルスが「指定感染症」に指定されたことを、キャスターがわかりやすく解説している。 江尻は、以

          小説 田舎行政書士 BCP策定5話