小説 田舎行政書士 BCP策定第6話
小説 田舎行政書士 BCP策定第6話
https://www.mhlw.go.jp/…/06-Seisakujouhou-10…/0000108628.pdf
目が覚めると、読みかけのカミュの小説「ペスト」があった。どうやら、小説を読んでいるうちに寝てしまったらしい。
新型コロナウィルス災害は「神による罰」なのか。それとも、我々は、神を否定し実存的に生きるのか。おそらく、そのどちらでもなく、新型コロナウィルスという「不条理」を受け止めて敢然と戦い続けることが必要なのではないだろうか?
それが、人間が自由であるということの証明だと私は思う。
小説「ペスト」の中では、キリスト教的に生きる人、実存的生きようとしている人、小説の主人公のように、「不条理」を受け止め戦い続けようとしている人達が描かれている。
「とにかく、新型コロナウィルスに立ち向かわなければならない。」そんな思いが江尻の心の中に沸き上がった。不思議な感情だった。江尻はベットから起き上がった。
窓のカーテン開けると、暖かい陽光が降り注いだ。昨日の荒れた天気とは打って変わって素晴らしい天気だった。
PCを立ち上げると、新型鳥インフルエンザBCPサイトが立ち上がった。昨晩、今回の新型コロナウィルス災害のBCPを作成するための参考にならないかと遅い時間まで閲覧していたサイトがキャッシュとして残っていたらしい。
再度、キャッシュサイトを閲覧していると、江尻の携帯電話が鳴った。
「先生、今回の研修ですが、社会保険労務士の伊藤先生と一緒ということでお願いしたいんです。伊藤先生に「働き方改革」、江尻先生には「BCP策定」ということでお願いしたいんです。場所は駅前のラトブ6階のセミナー室で。午後6時半からということで。資料があれば、こちらで作成します。」商工会の木村氏だった。
「資料はない。急な話なので、新型コロナウィルスBCP
は間に合わなかったよ。」江尻は短くそう言うと携帯電話を切った。
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