なぜフルリモート組織でインフォーマルコミュニケーションが重要なのか考えてみた

この記事は Leaner Technologies Advent Calendar 2023 4日目の記事です。

はじめに

ぐりこです!
Leaner Technologies という会社でエンジニアをしながら、前職で採用に関わっていた経験もあって人事・組織領域でもあれこれやっています。

この記事では、私が最近一番興味のある「フルリモート組織とインフォーマルコミュニケーション」の話をしたいと思います。まとまった理論ではなく、経験と主観をベースに書いた記事なのでブログのような気持ちで気軽に読んでもらえると嬉しいです!

参考資料

この記事内で説明し切れない細かな部分については上記の資料も参照してもらえると嬉しいです!

フルリモート組織ではインフォーマルコミュニケーションが不足しがち

インフォーマルコミュニケーションとは?

職場におけるインフォーマルコミュニケーションとは、同僚同士の非公式な交流のことで、一般的なビジネス構造における通常のヒエラルキーの外側で社会的関係を築くことに重点を置いている。

言い換えれば、それは私たちがお互いを知り、仕事以外のことについて話すときに起こるものです。

天気の話をしたり、ペットや好きな食べ物、祝日の写真を共有したり、誕生日の挨拶や励ましのメッセージを送ったり、雑談をしたり、笑ったりする。

GitLabハンドブック (DeepL翻訳)

自然発生のしづらさ

フルリモート組織では「隣の席の人とふと話す」「会議の前後にふと話す」などの「ふと話す」タイミングが少なくなりがちです。インフォーマルコミュニケーションはこのような「ふと話す」とき以外では中々起きません。

なので、オフィスワーク時代の仕組みをそのままフルリモート組織に持ち込むとインフォーマルコミュニケーションは不足しがちになります。

インフォーマルコミュニケーション不足になると何が起こるのか

人間関係の希薄化

一番に起こるのは人間関係の希薄化であり、これはなんとなくイメージが湧く現象だと思います。

ビロンギングの希薄化

ビロンギング(Belonging)は「自分が組織の一員だという実感・意識」であり、オーナーシップの発揮をはじめとするパフォーマンスアップのベースとなる感覚でもあります。

ビロンギングが希薄化する原因は様々ですが、私はインフォーマルコミュニケーション不足による人間関係の希薄化の影響が大きいと考えています。

衝突の回避と関係の崩壊

組織は課題を解いていく過程で避けられない衝突が存在します。この衝突を健全に行ったり乗り越えたりするためには他の何よりも信頼関係が必要だと考えています。

人間関係とビロンギングの希薄化した状態で信頼関係を構築するイメージは私には湧きません。

なので、インフォーマルコミュニケーション不足が続くと、最終的には「信頼関係が足りずに衝突を回避してしまう」 or 「信頼関係が足りないまま衝突してしまい関係が崩壊する」という結果になるというのが私の考えです。

もちろん人間関係やビロンギングが希薄化なままでもパフォーマンスを発揮できるような組織設計・スタイルもあると思いますが、そうでない組織では致命的な結果になりかねません。

Leaner における「よもやま」の重要性

「よもやま」とは?

Leaner Technologies には元リクルートの社員が持ち込んだ文化である「よもやま」があります。主に上司からのフィードバックの場として定期開催する1on1とは違って、誰とでも仕事以外の話を含めてなんでも話してOKの場であり、頻度もアジェンダも自由な場になっています。人数制限はありませんが、Leaner では2人1組での実施が比較的多いようです。

活用方法については人によって様々ですが、私の場合は月1〜隔月くらいの頻度でチームメンバーや最近話していないチーム外のメンバーと雑談をするのに利用しています。基本アジェンダなしでやっていますが、同じ山好きのメンバーとひたすら山の話をする「山よもやま」をしたり、最近子どもが生まれたメンバーと育児テーマに話したりすることもあります。

「よもやま」の重要性を思い知った話

Leaner Technologies の開発チームはフルリモート組織で、メンバーは関東・東海・甲信越・中国などの各地方に散らばっており、里帰り出産に合わせてパートナーの実家から働くなど一時的に普段と違う場所から働くメンバーもいます。

そのため、前述のようにオフィスで気軽に話す機会が少なく、定期的に「よもやま」を実施してメンバーと仕事以外の話をする時間を確保していたのですが、最近プロジェクトが忙しくてチームメンバーとしばらく「よもやま」していないことがありました。

このとき、毎日朝会などで話す機会はあるのに、ずっと会っていないような不思議な体験をしたことで自分にとっての「よもやま」の重要性を改めて体感する機会がありました。

不思議体験のときの感想を書いた Slack 投稿

インフォーマルコミュニケーションの重要性を理解して実践してきた自負があったのですが、自分もどこかで「仕事で話しているんだし、インフォーマルコミュニケーションって必ずしも必要なの?」と思っていたらしいという驚きもあり、とても印象に残った体験でした。

そして、Leaner の価値観のひとつである「コトに向かう」を実現していくために「よもやま」は非常に重要な役割を果たしているなと改めて思いました。

おわり

「なぜフルリモート組織でインフォーマルコミュニケーションが重要なのか」について自分の経験をベースに考えてみました。読んでくださった方が日頃感じている何かしらのモヤモヤを解く一助になれば幸いです。

本記事は Leaner Technologies Advent Calendar 2023 の4日目でした。明日は インサイドセールス(IS) チームの立野さんが担当です!お楽しみに!!


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