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THE EXPERIMENT

2010年に公開されたアメリカ映画。

この約半年のあいだ映画を見てきて、どこの国の映画なのか?ってことが結構に重要なのだと気づきました。映画に対する知識が全くないので感想の書き方に体系的な視点が持ててなかったりとか、そこで終わってしまってる感がありますが、まだ探り探り。

と話が逸れましたが、エクスペリメントを見た感想を。


まず、主演のエイドリアン・ブロディがすごくタイプ。インテリっぽくて悩ましげで弱そうな顔立ちなのに男らしいスタイル。タトゥーはペイントのようですが…。
なので今回は主演のエイドリアン・ブロディに視点を置くことにしようかな、なんて。いや、まあ。

とりあえず、エイドリアン演じるトラヴィスが反戦デモでお気に入りの女の子を見つけるところからすこし。
デモとかってやっぱり出会いの場なんですかね、いやまあ構わないんですけど、思想の距離はかなり大事だとは思いますし。
トラヴィスと女の子は恋人になるんですが、この、本題に関係のない恋愛風景こそがこの映画を印象づけてくれたな、という感じがします。わたしが女だからなんでしょうかね。別段それに時間が割かれているとも思いません。


本題のほうの、看守役と囚人役に別れて2週間を過ごす、というほうですが。
もともとあんまりマトモとは思えない人選をわざわざしてるのかなって。トラヴィスだって、宗教についての問いで「ふつう宗教はある、ないでは答えない」と言われてますし。その言葉自体が無宗教が当たり前のわたしには驚き。ああ、アメリカらしいなとも思えましたけど。

神様が居ない、とも思わないけれど、神様を信じるか、って言われるとそうじゃないんだよなあ〜っていうのがわたしの感覚です。

ちなみにこのときトラヴィスが「先人の言葉を借りただけさ」っていうような台詞を言うんですが、実際に言ってる奴を見ると腹が立つのに頭いい!とか思っちゃいましたね。笑。


これって、看守側と囚人側が理性を持って協力しあえば簡単なんじゃない?って思えたりもしますが、まあ、アクの強いキャラクターばっかり選ばれてるのでなかなかそうもいきませんよね。笑。

もしマトモな人たちだけでやったとしても、ルール1、食事を残さず食べる。これがかなりキツイんじゃないかと。だって明らかにまずそうだしご飯に見えないものが出てくるんですからね…。よそうときにあまりが出てもいいなら全然別問題ですけど。

まずいから残す!ルールだから食べろ!

ここから主従関係…看守側は、自分たちは命令できる立場なんだということを強く意識してしまうでしょうね。

まあこの映画では看守側は割と最初から鼻高々ですけど。
看守側のリーダー、バリスに関しては、想像力のない増長するニートって本当に害悪だな!みたいな事を散々言いながら見てました。
その実験に参加する理由の、母親の治療費のためっていう言い分とか、家庭での母親からの暴言の内容で勝手にニートだと思ってるんですけど。ニートが悪いわけではないんですけどね。働きたくない。
想像力のない人って謎の安心感とか万能感(ここでいうと、自分は看守側だからとか)を持ちがちな気がします。インターネット上でだけ強気な人とかも、反撃されるかもしれないということへの想像力が足りないよなと思っていて。それに似た印象を受けました。


あとはバリスや他の看守に対して、その仕打ちに胸を痛める看守もいるんですけど。これが黒人だったこともわたしにはかなり意味がありましたね。バリス演じるフォレストも黒人なんですよ。でもこうも違ってしまう。そりゃ個人差でしょうが、人種としての意識みたいなのをずっと日本で暮らしてると感じないんですよね。そういう根底の意識が表現されていたようにも思えます。


まあ、ストーリーというか、ルール違反になったら赤ランプが光りブザーが鳴るはずなのに人が死んでも鳴らず、大乱闘が起きてやっと鳴ったりとか、その設定のブレとか矛盾に関してはまあ冷めた目で見てました、というかぶっちゃけそこらへんはどうでもいい感じがしました。赤ランプがそれまで点灯しなかったのは、調査員の求めた結果に至ってなかったからで、実験自体がそういう予定調和的なものだったんじゃ?という感じ。
ブザーは鳴ったのに報酬がもらえたことも納得いく結果だったからか口止め料かなんかだと思えば。

それにしても看守リーダーのバリスが赤ランプを神様の如く信じてたのは最初の選考のときとリンクしましたね。神を信じれば自ずとなんちゃらっていう台詞。


結局本当は判断って自分でしなくちゃいけないし自己責任なはずなのにお金と赤ランプが絡んでいくらでも責任転嫁して正義ぶることができた。
そして逆に道徳的、またはそれが当然の行いをするトラヴィスはお金が貰えなくなる行いが為に悪とされるわけです。
でもお金に対する悲痛な理由があった人物がいたようには思えないところがまた滑稽ですよね。なんのためにお金を求めるのかと。

どちらかというと内容の重たさとか後味の悪さとかよりは、内容のところどころのアメリカらしさとか意識の持ち方のほうが面白かったですね。


esのほうも見てみようと思います。しばらく経ってからになる気もしますが。

#エクスペリメント
#映画批評
#映画
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