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噤みの午後 Diary

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「噤みの午後日記」の続編。ただし身辺雑記厳禁。
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#びーぐる

遅ればせながら、「びーぐる」41号 (その3): フォトポエム 「篠栗に来い」

遅ればせながら、「びーぐる」41号 (その3): フォトポエム 「篠栗に来い」

フォトポエムは最初高階杞一さんと組んで、ぼくが写真を提供し、彼がそれに詩をつけるという形でやっていた。その成果が『千鶴さんの脚』という詩集に結実したのを機に、今度は僕が自分の写真に自分で詩をつけるという形で引き継いだ。それがなんとまあもう4年も前のことである。

自分一人でやると、ついつい詩の付けやすそうな写真を選んでしまうという危険がある。写真と言葉がある種の共犯関係に陥ってしまうのだ。まったく

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遅ればせながら、「びーぐる」41号 (その2): 海外現代詩紹介 Marie de Quatrebarbes

遅ればせながら、「びーぐる」41号 (その2): 海外現代詩紹介 Marie de Quatrebarbes

こちらも創刊以来続けているコーナー。「PIW通信」は日本の現代詩人を英訳を通じて海外に紹介している活動の報告だが、こちらはその逆で、海外の現代詩人を日本語訳とともに紹介する。僕が海外の現代詩にふれる機会はもっぱら詩祭であり、その中でもPIW の母体であるRotterdam のPoetry Internationalは最大規模の詩祭のひとつだから、いきおいそこで知り合った詩人を紹介することも多くなる

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遅ればせながら、詩の雑誌「びーぐる」41号: PIW通信「大崎清夏特集」

遅ればせながら、詩の雑誌「びーぐる」41号: PIW通信「大崎清夏特集」

「ファシズムの夏」と題した日記に「びーぐる」41号の秋山清特集について書いたが、その直後、日本から雑誌が届いた。

表紙の写真はずいぶん昔ミュンヘンで撮ったもので、自分ではすっかり忘れていたのだが、細見和之さんが掘り出してきてくださった。毎回特集の企画を担当する者が、表紙の写真も選ぶというしきたりなのだ。秋山清のイメージとこの写真がどう結びつくのだろうと若干不安だったのだが、手にしてみるとなんとな

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ファシズムの夏:その2 秋山清 ニヒルから溢れ出るもの

ファシズムの夏:その2 秋山清 ニヒルから溢れ出るもの

『ぼくの兄の場合』(ウーヴェ・ティム著 松永美穂訳 白水社)を携えての日本滞在中、もう二冊どこへ行くにも持ち歩いていた本があった。いずれも秋山清の著作で、『現代詩文庫 秋山清詩集』(思潮社)と『ニヒルとテロル』(平凡社ライブラリー)である。

詩の雑誌「びーぐる」は、四人の編集同人が毎回交替で特集企画を組んでゆくのだが、最新号の特集は細見和之さんの番で、彼は秋山清を取り上げることにしたのだった。

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