ミュンヘン映画祭(6) Ana's War:ナチス占領下のロシアに取り残された6歳の少女の怪奇な美に溢れた生存
第二次大戦下のロシアでユダヤ系住民がドイツ軍に虐殺される。畑の土に折り重なった死体の山。その中から、素裸の少女がひとり這い出してくる。母親の死骸から引き剥がした毛布を体に巻きつけると、彼女は無言のまま画面の外へ歩いてゆく。それがこの映画の主人公、6歳のアナである。
アナは村人によってドイツ軍将校が占拠して使っている建物へ連れてゆかれる。だが一瞬の隙をみて建物の奥へ逃げ込み、暖炉の裏側のわずかな空間に身を隠す。暖炉の壁には鏡がはめ込まれていて、裏側から室内の様子を垣間見る