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【読了】精霊歌士と夢見る野菜【後半】

読み終えたので、後半パートの始まりです。

前半ではこの物語の世界観を中心に語りました。
後半ではストーリーを中心に書いてゆきます。

野菜を売る。
そう決めたメロウですが、野菜はなかなか売れません。
相棒のラヴィも「野菜なんて売れないって」と諦めている始末。
どうして野菜が売れないかというと……、野菜は人工栽培が可能だからです。そのため、安価で売られており、精霊歌士が野菜を作っても赤字になるだけという設定があります。

私たちの食卓でも、輸入した安価な野菜を作ろうとする農家はなかなかいないです。そういった部分を物語に落とし込みたかったのかな?と思いました。

ただ、高価でも”付加価値”があれば、それを認めた人が買ってくれる。
エイディが背中を押したこともあって、メロウは育てた野菜を”惣菜”に加工して売ることにしました。

野菜屋から総菜屋になったメロウの店は繁盛してゆきます。

精霊歌士の試験については、”野菜しか育てられない”メロウは実技の点数が悪く、補講を受けることになります。
そこで補講仲間のリーリとシャーディと出会います。
リーリはごく普通の予備学生だと思いきや……、婚約破棄されていたり、商魂逞しいところがあり、商売の話になると別人のようになる女の子。
シャーディは異国から来た予備学生で、精霊歌士の才能は高いものの嫌々通わされているのですが、メロウと関わってゆくうちに精霊歌士になり、別の夢も同時に叶えてやろうと前向きになってゆきます。彼は料理が得意です。

三人を指導するのはヴェルグ。人気の作曲家で1曲の製作費は”屋敷が建つ”ほど。

はじめ、三人はぎくしゃくしていたのですが、最後には力を合わせ補講を乗り越えます。その過程で、メロウは店の経営をリーリ、調理をシャーディに分担し、三人で店を切り盛りしてゆくことになりました。

三人の店が大繁盛していた時に、”支店”の話が出てきたり、突如最終試験が現れたりと唐突に難問が現れ、メロウは悩み、苦しみながら仲間たちと共にそれを乗り越えて、念願の精霊歌士に――、というお話です。

【前半】で書いた設定は受け入れにくいものでしたが、物語は各キャラクターの感情がぶつかりあっていて、とても面白い作品でした。

最後に、メロウとエイディの関係はとてもキュンとしましたね。
完全にヒモだったエイディを自立させたのには感服しました!!
……ってのは冗談で、エイディは最初からメロウに好意を向けており、「天然」「たらし」とラヴィに罵られていたわけですが、次第にメロウがエイディの声を聴くだけでドキッとしたり、エイディが他の女の子と一緒にいると嫉妬したりと恋する乙女になってゆく姿はたまりませんでしたね。

最後の試験を乗り越え、エイディがメロウに――、というラストが最高でした。
二人がどんなラストを迎えたかは、ご自分の目でお確かめください!
以上、読了した感想でした。

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