北欧旅11【ローゼンダール・トレードゴード】
ストックホルム市立図書館から、赤いトリム(路面電車)でユールゴーデン島に移動して、スカンセン野外博物館前の終点で下車。並木道をのんびり歩いてローゼンダールトレードゴード農園へ。
王侯貴族の広大な庭園だった場所を利用して、現在は「バイオダイナミック農法」によってほぼ閉鎖形循環型農園として様々な農作物や畜産物の生産と販売そしてカフェの運営が行われいる。
カフェはセルフサービス方式で、日替わりメニューは農園内で生産された素材だけで調理されている。料理と飲み物をもって、農園内の様々な場所で気ままに客は昼食をとっている。
コペンハーゲン郊外の「ルイジアナ近代美術館」に引き続き、ストックホルムでも市内にこれほどの豊かな自然に包まれて過ごせる場所があることに驚かされた。
リンゴの木の下で、テーブル同士の距離と人々の間合いが絶妙。
休日に時の過ぎゆくまま、自然に包まれて、気軽に家族や友、恋人と「対話」できる広場が、あたりまえのように市民生活の中に存在している。自転車レーンが市内全域に整備されているので、ストックホルム市民がベビーカー付きの自転車で、サイクリングを楽しむのにもちょうどいい場所。
日本だったら、風光明媚な自然が評判になると、「便利な」巨大駐車場と「安全のために」長大なガードレールが作られ、みやげ物屋や巨大トイレが作られ、道には、「親切な」大量の案内板と注意書きの掲示板が乱立することは間違いない。
日本の公園やキャンプ場そして浜辺は、もはや自然と触れ合う場所ではなくコンクリートの建造物の展示場のようになっている。
のんびり至福ランチと農園散策を楽しんだあとは、「北方民族博物館」と17世紀の沈没船が展示されいる「ヴァーサ号博物館」ものぞいた。
博物館ばかりのユールゴーデン島をもっとゆっくり散策したかったが、ゴットランド島行きのフェリーの出航時間が近づいていたので、ストックホルム中央駅に戻った。