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隠れ家の不良美少女 183 プリンちゃん微笑む

配信当日、俺と友里香さんは一足先にマサキへ来ている。
「新さん、無事にファミリーマーケット様と契約しました」友里香さんはニッコリお辞儀した。
「よかったですね、ではマサキとの契約もよろしくお願いします」新くんも会釈する。
「お弁当の月一企画も了承されたよ」俺は報告した。
「よかった、これで少しやりやすくなるね」
「だよね」
3人は少しだけホッとしている。

「最後のデザートだけど…………」新くんが少し考えている。
「どうしたの?」
「今進めてるのがデカプリン追いきな粉付きという大きめのきな粉プリンなんだけど大丈夫かな?」
「デカプリンか………プリンちゃんは少し嫌かもね………」俺は眉を寄せる。
「きっと大丈夫よ、彼女なら分かってくれるわ」友里香さんはニッコリうなずく。
「友里香さん、プリンちゃんに話していただけますか?」新くんは申し訳なさそうに頭を下げる。
「ええ、話しますのでギャラのアップよろしくお願いします」ニッコリ微笑む。
「了解しました、出来るだけの事はさせて頂きます」新くんは頷いた。

匠真くんの運転するキャンピングカーが到着した。
プリンちゃんと奏太くん、未来ちゃんと希和も乗っている。
「「「「お疲れ様で〜す」」」」
みんなニッコリ入ってくる。
「今日もよろしくお願いします」奏太くんが声をかけた。

希美子さんと美奈さん詩織さん、そして今日のゲスト真里亞ちゃんも到着した。
真里亞ちゃんはキナコと一緒にコスプレツアーを回った『サークル雅』の子だ、最近人気が出てきている。
「真里亞で〜す、よろしくお願いしま〜す」なかなかの軽いノリだ。

「では配信の打ち合わせをします」奏太くんは出演する3人へ段取りを説明する。
「今回もカップ麺を用意してくれるのは匠真くんです、よろしくね」
「「「は〜い」」」3人はうなずく。

「これは友里香さんの提案ですか?」俺は確認した。
「はい、彼の仕事にも繋げたいので」友里香さんは顔色ひとつ変えずに頷く。

3人は衣装に着替えるため、隣の会議室へ向かう。

「プリンちゃん、少しだけいいかしら」友里香さんが呼び止めて耳打ちしている。

プリンちゃんはニッコリして新くんを見ると「デカプリンよろしくお願いします」そう言って着替えに向かった。
新くんは目をパチパチとさせて固まる。
「相続税のおかげよ」友里香さんは俺に耳打ちする。
俺は友里香さんが少しだけ怖くなった。

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