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デジタルの上を行くタクシー運転手に畏れいったはなし

サービスが広がってきている

たまたま移動することが多い一週間を過ごしていた。電車の駅が不便なところばかりだったのでどうしてもタクシー移動が多くなり、せっかくなのでJapan TaxiやS.RIDEを色々試してみた。
Japan TaxiのWalletは日本交通だけでなく帝都でも使えるようになってた。S.RIDEはさすがに始まったばかりのサービスなので、呼び出しはできても流しを捕まえてのネット決済はできない。助手席のヘッドレスト裏のタブレットに支払いのメニューがない。またネット決済できるタクシーでも初めての運転手に遭遇して、運転手にオペレーションを教えてみたり。

とある運転手は、移動中にネット決済をやったら「あれ、お客さん、何かしました?私初めてなんですが、今朝会社から『お客さんが支払い処理をする前に運転手が支払いボタンを押しちゃったら、戻せないので、他の手段で支払ってもらわないと行けない』っていわれたんですが、大丈夫ですかね」と、このサービスの仕組みをよく知らない会話がおきてみたりもしていた。

急いで移動

そんな中、あるクライアントを後楽園の当たりで訪問して、その次の約束の南青山まで移動するときのこと。前の打ち合わせが押してしまって、ちょっと急いでいた。しかも運の悪いことに流しのタクシーが捕まらない。
慌てて、アプリを起動。Japan TaxiにするかS.RIDEにするか。対象の会社が多いS.RIDEを選択して、4-5分ほどでやってきたタクシーに乗って目的地まで急いで欲しいと告げた。

デジタルを普通に使っていたと思ったら

運転手は普通にナビを確認し、「今この通りが混んでいるのでこっちのルートで行きますね」と私に告げた。私は生返事をしながら次のアポの準備のためパソコンを開いて作業をしていた。
20分ほど経って目的地が近づく。このルートで行くと目的地の道路を挟んだ向かい側に到着するので、道路を渡って行けば良いかと思っていた。少し前の信号でタクシーが止まって青信号に変わるのを待っているとき、それはおきた。運転手がペンを片手にナビをじーっと見つめる。そしてナビの画面を何かを確かめるようにペン先でなぞっている。
そして振り返ってこう話しかけてきた。
「お客様、ここから行くと目的地の道路向かい側になりますが、この道路はちょっと幅が広いのと、今の時間帯だと通行量が多いので、なかなか渡れないと思います。目的地の目の前ではないですが、この先の信号のところで止めた方が早いと思いますがいかがですか」と。
その信号で止められたら、ちょっと歩くとかにならないな。といっても1分程度だ。まさかそんな提案をしてくれるとは思いもしなかったので、一瞬止まったが、その提案を受け入れて手前で降りた。
案の定、元々止まる予定だった場所からは道路を横断できる様子もなく、その前後の横断歩道まで歩いて渡るしかないようだった。
(信号のないところを横断しようと元々思っていたことは違反であり、反省しております)
おそらく道路横断をしていたら5分は軽くかかっていただろう。結局アポに間に合うことができた。

ナビ全盛期の今の東京で、ナビの上を行く提案をしてくれたあの運転手に感謝。
訪問先で、そのことをネタに話が弾んだことはいうまでもない。

素敵なモビリティ体験だった。


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