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スパシアルとリアルが融合する世界

「スパシアル(Spatial)」というキーワードを覚えておいて欲しい。「空間的な」という意味。

スパシアルウェブとか、スパシアルコンピューティングとか、急速に耳にするようになってきた。これがとにかくすごいのだ。実はスマホの次の進化は、端末の形状のようなうわべ部分ではなく、スパシアルな部分で起きる。都市や建物を仮想デジタル上で完全復元してしまうデジタルツインなんかもその一部だ。バーチャルアバターもそう。

例えば今でもすでに、人々は渋谷の街を歩いて同じ都市空間を共有しながら、ある人はポケモンの世界をそこに見いだすし、ある人はハリポタの魔法を探し、ドラクエの旅をしている人もいる。これはまさに、空間2.0の実現だ。空間は共有されると同時に、かぶさるように提供される仮想空間は、無限の層に別れパーソナライズされる。

ところで、ポケモンGOも、ドラクエウォークも、徒歩のスピードでしか世界感を融合できてないけど、実世界の我々はもう少し複雑で早いスピード、例えば電車や車や飛行機で移動している。徒歩よりスピードの早い世界をこのスパシアルな世界観にのせていくのはもうちょい複雑な課題があるかもしれない。

しかしその解決も時間の問題でもある。イスラエル発のカーナビアプリWAZEが答えの一つを提供している気もする。集合知(コレクティブインテリジェンス)を学習しデジタルなスピードで自己進化をしていく。(WAZEはGoogleが買収)

これらは単独の技術から成り立つものではなく、5G、AR、センサリング、人工知能、GAN、3Dプリンター、遠隔ロボティクス、ドローン、ブロックチェーンなどあらゆる技術が融合した先に訪れる未来だ。テクノロジーの進化がそれを予見させ、テクノロジーのフリクションの低下(価格の下落)が新たなスパークを加速する。

日本の街は、中国の新興都市に比べれば、雑多で陳腐で矮小である。現金決済ですらなくならない。そんなリアルなインフラは一朝一夕には変わらないのだけど、かといってリアルな世界だけで街を語るのは間違っている。これからはその上に重ねられたスパシアルレイヤーが何をもたらすかが街の価値を決めていくだろう。

スパシアルレイヤーはリアルインフラと集合知の掛け算の上にリッチなコンテンツが築かれていく。それはやはり人とモノと金が行き交う場所に集中するということであり、渋谷のポケストップの数と地方のポケストップの数を比べればその違いは明白であろう。

ただ地方が悲観することでもない。都市と地方の差を埋めるヒントもやはりスパシアルの考え方の中にある。ポケストップが多数設置された鳥取砂丘に人が殺到したニュースは記憶に新しい。具体的にはまだわからないけどリアル世界の地域格差を一気に無効化出来るほどのパワーを秘めているのは間違いない。

ある瞬間から、デジタルな空間のサイズはリアルな世界を越え、スパシアルこそが本質になるのだ。その瞬間は一種のシンギュラリティなのだ。このスピードは加速する。ますます加速し止まらなくなる。残りの人生の中で「今日が一番スピードの遅い日」なんだ。

さぁ、、、創るぞ未来!

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