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vol.2 インタビュー : 仲町 春菜

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<Profile>
仲町 春菜 | Nakamachi Haruna

2002年 奈良県出身
2023年 京都芸術大学 芸術学部 美術工芸学科 油絵コース 3年次 在籍

Q
美術を始めるきっかけを教えてください。

A
美術を始めるきっかけは、3歳の頃から絵を描くことが好きで、ずっと絵を描き続けていたことです。本格的に美術の道に歩もうと思ったのは中学校の2年生あたりでした。絵が好きでずっと描いてたのですが、美術の先生に、美術が向いてるから絵描きになったらいいんじゃないかと言われたことがきっかけで、アートの道に進もうかなと思いました。その後、美術専門の京都芸術高等学校に推薦をいただき、入学することになりました。


Q
どのような作品を制作していますか?

私が制作してるのは、目をモチーフにした絵画作品です。具象に近いものを描いています。目をモチーフにしている理由は、目を通して見ることで何かを感じたり、見ている対象に対して人それぞれに思うことがあるように、人の内面性を目を通して表現したいと思っています。「目」は個人的にすごく綺麗なものだと思っていて、しかし世の中の見えているものは綺麗なものだけじゃなくて、気持ち悪いものや、醜いものが多く蔓延っています。綺麗なもの(目)でそれらを見ることに対して、矛盾さや人間の本質的なものがあるように感じて、目=心や魂のように捉えてながら制作しています。


Q
目という綺麗なものを通してものを見ることで、 目とそれ以外の対比も生まれますし、表現するのに良いモチーフだなと思います。だからこそ、表現する側のアプローチの仕方も、大きく関係してくるのかなという風に感じました。

A
そうですね。自分自身、誰かに対して意見を言うことが結構難しい人なんです。だからこそ目を通して、分かりにくいかもしれないけど、自分の思っていることや、感じていることを伝えたかったり表現したいなと思って描いてるということもあります。


Q
目を描こうと思ったきっかけはありますか?

A
元々はカラフルな絵ばかりを描いていました。人体の色々な部位も描いていたのですが、その中で1番自分にとってしっくりくるのが目でした。展示を行った際にポートフォリオの中に目の作品を載せていて、鑑賞者の方に見てもらう機会がありました。そのときに「目が一番感情がこもっているし、描きたい意欲のような、自分の表現したいことが伝わってくるね」と言われて「あ、私って目が描きたいんだな」と気が付いてからは目をモチーフに制作しています。



Q
アートに関わる魅力について教えてください。

A
アート活動を行う立場として思うことの1つは、アートを通して様々な人が繋がることです。アートは絶対に欠かせないものだと思っています。 街中や服装なども全て、アートがあるからこそ、今の世界があるのかなと思っています。
そして、私たちの世界に表現するものがなければ、人とのコミュニケーションが生まれることもないと思うので、 誰かと協力して行うことや、会話、企画を立てるなど、そのようなことに対して、必要不可欠なものなのかなと思っています。2つ目ですが、私が通っている油画コースにいる人達の中には自分自身の内面や思っていることを言い出せなかったり表現できない人が多いと思います。だからこそアートを通して自分の思ってること、やりたいこと、主張のようなことを絵に落としこんで描いている印象があります。自分自身の心の中を1度整理することも含めて、 絵を描くことはストレス解消法にもなるのかなと個人的に思っています。自分と自分以外の世界の間に絵を挟むことによって、それらの繋がりをより良くするものがあるイメージです。だからこそ、自分も絵を描く習慣がないと少しやっていけないのかなと思ってる節があります。



Q
自身がアーティストとして目指していることはありますか?

A
アーティストとしてどのくらいを目指すかという立ち位置についてですが、今はまだ知名度が低いので、個展が出来るくらいまでにはなりたいと思っています。3回生の初めにカフェで個展を行わせてもらえる機会がありました。意外と多くの人が見てくれて、いいですねと近い距離で声をかけてもらえたことも嬉しかったです。ですが、個人でギャラリーを借りて展示を行う経験がまだないので、個展の開催を目指したいですね。 ギャラリーを使用する場合、自分の絵の知名度や認知度が来場に影響するので、今は認知してもらえることを拡大する段階だと思っています。ここからは大きな夢の話ですが、バーゼルバーゼルというスイスの美術展覧会があり、そこに作品を飾ってもらえることを目指すことが最終目標です。



Q
今後挑戦したい表現方法ややりたいことはありますか?

A
メディアアートなどの、絵画以外で表現してみたいなと考えています。例えばですが、目を通して見ている形のないものを形として立ち上がらせることも面白いのではないかと思います。今後実験しようと思っていることは、1日24時間自分はどこを見ているのかを写真で記録を行い、そのあと記録したところに、ペタペタ貼る感じのをして見たいなと考えています。人の日常的な視点を捉えて、普段の目の動線とそこから作り出される空間を表現できるのではないかなと感じています。
変化し続けることも大切だと思うので、今までと違う制作も試しながら、しっくりこないと思ったらまた具象に戻って制作をしたいなと思います。



インタビュアー : 岩永 稜央

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