トリマーで木工「ベッド高さ調節」編 (前編)
先日の連載をVUILDさんがnoteマガジンにしてくださいました。
なんか、お恥ずかしいです。しかもBIESSEの美しい写真を付けてくださいましてありがとうございます。
さて、次は何を作ろう、と思っているときに我が家で「ベッドを高くしたいのだけど」という要望が来ました。ベッドの下に収納したいものがあるし、今のベッドの高さは低いので、10cmくらい嵩上げしたいと。ネットで「ベッド 高さ調節」などと検索してみると、幾つかそういうグッズが見つかりますが、ちょうど良い高さだったり太さだったりするものがなかなか無かったり、真っ黒というのも如何なものか、というのだったり。
ここは、やはり作るか?
と考えてみます。でも前回のPCスタンドで経験したように、大きな木材は値が張ってしまうし、今回は足元の目立たないところなのでデザイン不要でただ用を成せばいい。それなら角材を切って作ればいいんじゃない? ということで、早速 Fusion360で簡単な絵を描いてみました。
我が家のベッドの足は丸いので、それに合わせて丸い窪みを付けたい。これならシンプルじゃない?これを4個作れば。
でも、こういう窪みは木工初心者が日曜大工道具で作るのは難しいですよね。やっぱりルーターかな。でもこれだけのためにわざわざ前回のBIESSEを使うのは大げさすぎるし、そのためにVUILDさんの拠点に行ったりエンジニアさんを煩わせるのも嫌だなあ。
そう思って、(前回のPCスタンドのときにパテ埋めを提案してくれた) Explaygroundで一緒に活動している VIVISTOP GAKUGEI のK寺さんに話してみたところ、「それくらいなら VIVISTOP GAKUGEI でやりましょうよ!」と陽気なお返事。えっ、できるの?
そういえば、前回お会いしたときに、なんかすごいの作ってたのです。K寺さんが。
聞くと、これもルーターの仲間だと言います。えっ、どこが? と思いましたが、秘密はテーブルの裏に貼り付いていました。
本来はこんな風に逆さまに置いて使うものだそうです。
それを逆さまに固定するテーブルを K寺さんが作ってしまいました。そんなことして何に使うの?と初心者の私は思いますが、これに面取り用のビット(刃)を付けると面取りがとても簡単だったり、敷居みたいな溝を作るのが簡単だったりするのだそうです。「こんなに色々なビットがあるよ!」と見せてくれました。
「うわっ、これめっちゃテンション上がりますね! しかも一つ一つにどんな加工ができるかの絵も付いていてワクワクします!」「でしょでしょ!」と二人で盛り上がりました。
しかもその中に、
アリ桟も作れる!!
前回のPCスタンドの連載の中でちょっと紹介した、東京学芸大学附属高校の机、
これを5軸ルーターで作れないかな、と思って Fusion360 でそっくりそのまま描いてみたのですが、
天板と梁の接合がこういう形になっていたのです。天然木の板を天板に使うときに、長年の反りや収縮に耐える仕組みで「アリ桟」と言うらしいのですが、普通のルーターの刃でこういう鋭角な窪みは作れないなあと思っていたのです。それが作れるなんて! と勝手にまた興奮。
すっかり話が横道にそれましたが、K寺さんいわく、これを使えば前述の窪みを作れるのではないか、とのこと。なるほど、そうかもしれません。まあやってみますか!
そこで、やってきました、ホームセンター。ちょうど良さそうな木が見つかりますか...。はい、たしかにあることはありました。が、
長すぎる。3m以上あります。そんなにいらないし、車に載らない。
短いのは、太さが足りない。この写真のものを2本束ねればちょうど良いくらいなのですが、用途を考えると頑丈に束ねるのが大変そうですし、窪みを開けるのも難しくなるかもしれませんし、時間が経って反ってきてしまって隙間が空いてしまうかもしれませんし、と迷います。
そんなことを考えながら店内をウロウロしていたら、端材置き場が目に止まりました。
おおっ、おあつらえ向きな角材が! 超ラッキーです。一気に解決。770円。
さっそく買って帰ろうと思いましたが、ここは工作室の前。
ここで4つに切ってもらってしまいましょう。手作業でまっすぐ切るのは難しいですし、けっこう太いので大変ですから。1カット50円x4。
切ってもらっている間に、近くの売り場をプラプラと散歩していたら、
!!!!!!!
しかもサイズもピッタリ!!!! 万事解決!!!!
いやいや、これは幻に違いない。せっかくK寺さんのトリマーテーブルを使わせていただくんじゃないか。自分で作ったほうが絶対楽しいぞ。などと様々な思いが去来しました。結局見なかったことに。
気を取り直してカットされた木材を受け取って帰りました。
木はヒノキでした。とても良い香りがします。
次回はいよいよ窪みを作ります。
(意外と前置きが長くなってしまった。)
(フジムー)
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