それさっきも聞いたわ

子供の頃、両親や教師などに叱られるのが嫌いでした。

まあ好きな人なんて殆どいないと思うんですが、僕が何より嫌いだったのは「埒が明かない」点ですね。

ずっーーーと同じ話繰り返すじゃないですか、説教の類って。
手を替え品を替え、これでもかと時間を食っていく割に新しい内容は一つも出ない。
最初は「わかりましたよ、ごめんなさい」と素直に謝っていても、しつこく同じことを言われると段々こっちも腹に据えかねて来るわけです。
それで「ずっと同じ話じゃん」とか食ってかかるともう大変、その後の展開は書かずとも伝わるでしょう。

僕が全然言うこと聞かないガキだったってのも大いに関係してるとは思うんですけどね。

あまりに同じ話を聞くのが嫌いすぎて、話を遮る悪癖も付いてしまいました。これは今も直っていません。
僕としては遮って困った経験は特にないのですが、相手目線で想像すると結構嫌な奴ですよね。

しかしそんな僕も晴れて大人になりまして、人に真面目な話をする機会も増えてきました。

そしたらね、同じ話2回してるんですよ!
あんなに蛇蝎の如く嫌っていた頭の悪そうな振る舞いを、そのまんましてるんですよこいつ!

戦慄ですね。
幼少の頃は意識せずとも、会話全てに意図や思惑が込められていたのに。
今や口を開くたび脳の鈍りを晒している始末。

無理やり良い捉え方をするなら、他人との会話に慣れて自然な反応が出てきたと言いますか。
いちいち先の先を考えて会話するのが面倒くさくなったんでしょうね。いつ変化したのかは覚えていません。

繰り返さなければ、あるいは言い換えなければ伝わらない事物も当然ありますが、そんなのは相手の読解力と反応に合わせれば良い話。
頭を止めて会話する免罪符にはなりません。

このまま省エネで行くと緩やかにバカになってしまう。
賢しく生きるのはもっと賢くなってからにすべきと自戒します。

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