カタンの初期配置で遊ぶ

突然ですが今回はそこそこディープな内容を扱います。
どういう経緯でこの話をしようと思ったかは後日書きますが…。

んじゃ早速、「カタンの初期配置考察」やっていこうと思います。
「カタンってなんやねん」って人は各自調べてね。

などと言って初心者完全放置ムーブをかますと後々業界が廃れるので、一応軽く説明します。

「カタンの開拓者たち」とは!
開拓者となって無人島に入植し!
島から出る資源を使って自分の土地を発展させ!
島内の覇権を目指す!
複数人対戦型ボードゲームだっ!!!

面白さ・知名度・実績全てが横綱級、ボードゲーム界の王です。
アナログゲームに興味がある方、ボドゲデビューはカタンがオススメですよ!

まあ詳細は色んなサイトに書いてあるから調べてください。ルールはそんなに難しくないので1回やればわかると思います。
アプリも出てますんで手始めにそっちで練習しても良いかもしれません。

で、ここからが本題なんですが、カタンの勝敗を左右する最も大きな要因は「初期配置」です(個人的見解)。

中級者以上だけで遊ぶ場合、
初期配置:立ち回り:運=5:2:3
くらいの印象ですかね。

毎回変化するマップを"将棋的"読みでいち早く攻略し、ゲーム開始時点で既に優位に立ってしまえば、勝利はもう手中と言って良いでしょう。

前置きはもう十分ですかね。
ではやっていきます。

基礎となる考え方

初期地点を選定する上で決め手となる要素は3つしかありません。

① 生産力 ② 資源バランス ③ 発展性

この3つが確保されている初期配置こそ最も素晴らしいと言えます。それぞれ解説すると、

① 生産力
資源を生産する能力のこと。
考え方としては 資源価値*産出確率=生産力。
資源価値はマップ次第で簡単に変動する。希少ながら必須な資源があったりすると醜い奪い合いが始まる。
産出確率は常に一定。サイコロを2個振るのだから当然7に近い数字の方が強い。6は12の5倍出やすいし、体感ではもっと出る。
これがないと1位はまず取れない、野球で例えるなら打撃力。

② 資源バランス
自前で調達できる資源の種類の多さ。
当然多ければ多いほど良いのだが、戦略に応じて「なくてもどうにかなる」資源が発生する場合も結構ある。
一方で「絶対に外せない」資源もあるので、相手にどう置かれても必須資源は確保できるようにしておくべき。
港での貿易は計算に入れて良いが、プレーヤー間のトレードを前提に考えると足元を見られるので非常に危険。
これを欠かすと何もできずにゲームが終わる、野球で例えると投手力・守備力。

③ 発展性
開拓地建設候補地の多さ、及び候補地の優秀さ。
マップによっては一本も道を作らず勝利することもあり、3要素の中では最も優先度が低い。
ただし、優秀な土地を素早く安全に取れる確証がある場合、実質「1人だけ初期開拓地3個持ち」となるアドバンテージは計り知れない。
また、開拓地の建設候補地が存在しないために「10点確保する(=勝つ)こと」が不可能になる場合も稀にある(通称:窒息死)。
侮ると手痛いしっぺ返しを食らう、野球で言えば機動力。

といった感じ。
これらを総合的に判断し、他人の動きや2つ目の初期開拓地まで考慮に入れて1つ目を置けたらもう熟練プレーヤーと言っていいでしょう。

これを前提として、ランダム生成したマップで遊んでいきます。
(マップ生成には以下のページを使用しています。
http://www4.plala.or.jp/hammer/archive/catan/map_generator/index.html )

実践

今回使うマップはこちら。プレーヤーは4人想定でいきます。

一際目立つのが木の死にっぷり。
唯一まともな生産力を持つ5木が、11麦・12レンガ・荒野に閉じ込められ機能停止。他の木も2・3・3と地獄のような数字が並びます。
これでは道や開拓地を大きく広げる戦略は厳しいでしょう。

一方の土は6と8を有して元気いっぱいですが、相方の木がここまで重傷では使いように困ります。ただ土港の位置が絶好で、これを主軸にした戦い方は出来そうです。

そして地味ながら留意する必要があるのが麦。
麦港を擁して圧倒的生産力を誇る8麦が角に位置しており、触れられるのは多くとも2人。
ここからあぶれるプレーヤーは代わりとなる武器を探すのに苦労しそうです。

1番手1軒目は【9鉄/10羊/8麦】が鉄板でしょう。俗に「発展セット」と言われる黄金の組み合わせ。生産力も突出しており、2軒目をどこに構えても戦い方に困ることはなさそうです。
【4麦/5鉄/9鉄】や【4麦/6羊/9鉄】も同様の方向性を持つ置き方ですが、麦に圧倒的な差があります。麦は開拓者の酸素にして血、最重視するようにしましょう。
道は6羊方面へ。理由は後述します。

2番手1軒目は先ほど触れた【4麦/6羊/9鉄】が一目最有力に思えます。
しかし3番手以降にも【10羊/4麦/5鉄】や土港を残している上、1番手の劣化版に過ぎないようではあまりに消極的です。
2軒目に羊港を直取りし、【6羊/4羊/10羊】を目指す戦い方もありますが、ここで1番手の道が効いてきます。
この戦略を取った場合、なんと1番手は2軒目で木と土を抑えるだけで2番手を脱落させることが出来るのです。
資源バランス的にも1番手は木・土を欲しているところ。1番手以外が麦港を狙う場合は確実に直取りですので、麦港へ予め道を伸ばす恩恵は案外大きくありません。
最小の犠牲で盤面を制限する妙手と言えます。

この苦境を救う2番手の最善手は恐らく【4麦/5鉄/9鉄】でしょう。道を諦めた配置のためほぼ無理とは思いますが、一応【荒野/4麦/6羊】を目指して道は左へ。
この置き方のポイントは3番手以降に発展セットを残さないこと、そして何より【6羊/4羊/10羊】にほぼ確実に置けること。
他のプレイヤーがここに置くためには豊富な麦と鉄、あるいは羊港が必要です。しかし、麦と鉄を両取り出来る土地は【5鉄/3木/11麦】、羊港に至っては【6土】しか残っていません。これでは勝負を捨てたも同然です。
万が一羊畑を潰されても【荒野/4麦/6羊】が保険として生きています。
発展性にこそ欠けますが、ダブつかせた羊を麦の補助輪とし、圧倒的な鉄の生産力で押し切るブルドーザーのような戦い方になるでしょう。

発展セットを封殺された3番手としては、まず土港を使うことを考えたいところです。具体的には【8土/11麦】と【9鉄/6土/10羊】に置ければ理想的でしょうか。
ただし、2軒目は資源が貰えるからと【8土/11麦】に先置きしてはいけません。【9鉄/6土/10羊】には【5鉄/3木/11麦】(+鉄港)というもう一人の相方がいます。
4番手にその2つを取られた場合、3番手の2軒目は【8土/9鉄/3木】になるでしょうが、これは4番手に明確に遅れを取っている感覚があります。
1軒目は確実に【9鉄/6土/10羊】を取るようにしましょう。

4番手は【8土/9鉄/3木】が確定、相方は【8土/11麦】の土港か【荒野/4麦/6羊】ですが、後者では些か器用貧乏の感が否めません。
それよりは土港を奪取し、3番手の理想形を妨害しつつ最長交易路を確保する方が勝ちの目を感じます。
通常「強い数字の資源と港が隣り合っている形」は、その強大すぎる生産力から盗賊が常駐しがちなのですが、今回に限っては1番手の8麦というヘイトの分散先が存在するため、都市化や3軒目の開拓地などで生産力が向上するまではある程度のお目溢しが受けられそうです。
4番手は連続して開拓地を置けるので、2軒目を【8土/9鉄/3木】として確実に木を貰っておきましょう。

土港を取られた3番手の2軒目は【5鉄/3木/11麦】、2番手は予定通り【6羊/4羊/10羊】と置きまして、最後1番手の2軒目は【荒野/4麦/6羊】でしょうか。

1番手は生産力に圧倒的なアドバンテージがありますが、配置の関係上2番手から騎士で8麦を一方的に殴られることになります。2番手の主要な生産地はほとんど1番手と共有しているため、有効な報復手段がありません。

どれだけ強大な生産力があっても、序盤から3:1に持ち込まれてはなかなか抜け出せないのがカタン。1番手を叩いている間に誰がいち早く生産基盤を確保できるかの勝負になりそうです。或いは1番手が上手く盗賊を支配して圧勝するかもしれません。

以上!

とまあこんな感じで、カタンは1人でも存分に楽しめる奥の深いゲームです。正直僕の腕前ではちゃんと考察しきれているか怪しいですが。
ボードゲーム好きの友人と2人でこういう話をするのも良いもんですよ。
3人以上集まった?それならカタンで遊ぼう!

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