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【 56日目 】医療情報技師試験 医療医学系 『 医の倫理・患者の権利 』まとめ

【 目標 】

◆ 医療・医学系、医療情報システム系の合格

【 前提 】

◆ 2022年に一度受験し、情報処理技術系のみ合格
◆ 2023年は医療・医学系と、医療情報システム系の合格を目指す

【学習の流れ】

◆ 主に、医療に関する用語をまとめ、理解を深める(5問/1日)
◆ まず、2021~2022年度の医療用語の学習を実施
◆ 次に、頻出するとされているポイントを絞って学習を実施
◆ 解答群の用語などを一つ一つ調べ、まとめる



【 医の倫理 】


◆ ヒポクラテスの誓い

<キーワード>
 ・ 古代ギリシャの医師 ヒポクラテスが宣誓
 ・ 歴史上もっとも古い
 ・ 医師が患者に対して守るべき倫理的な指針
 ・ 医学倫理の基盤
 ・ 医師としての道徳

患者の健康と幸福を最優先に考え、最善の治療を提供すること。
患者のプライバシーを尊重し、情報を機密に保持すること。
医学的な知識を継続的に追求し、最新の情報に基づいて診断と治療を行うこと。
他の医師と協力し、患者の利益のために最善の方法を追求すること。
謙虚さを持ち、自己の利益や名声よりも患者の利益を重視すること。

https://cellbank.nibiohn.go.jp/legacy/information/ethics/refhoshino/hoshino0006.htm


◆ ジュネーブ宣言

<キーワード>
 ・ 1948年 発足
 ・ スイス ジュネーブ
 ・ 『 ヒポクラテスの誓い 』の現代版
 ・ 患者の秘密保持
 ・ 人類の貢献
 ・ 患者の非差別
 ・ 悪意ある医学知識の応用の禁止

「医療の専門家として許可されるに当たり、私は、人類に奉仕するために生涯を聖職に捧げることを厳粛に誓います。
師に対して当然捧げるべき尊敬と感謝の念を捧げます。
良心と尊厳をもって医療を行います。
患者の健康を、第一の関心の的といたします。
患者が死んだ後でさえ、患者が打ち明けた秘密を大切に守ります。
全力を尽くして医療の名誉とその高貴な伝統を守ります。
同僚は兄弟同然です。
患者の宗教、国籍、人種、政党、社会的地位によって、私の任務に手加減するようなことはいたしません。
トの生命を、受胎の瞬間から最大限に尊重し続けます。たとえ脅迫されても、人道に反して医学的知識を悪用することはありません。
以上のことを、自由意思により、名誉にかけて厳粛に誓います。」

https://cellbank.nibiohn.go.jp/legacy/information/ethics/refhoshino/hoshino0006.htm




【 患者の権利 】


◆ ニュルンベルク綱領

<キーワード>
 ・ 1947年 発行
 ・ ドイツ ニュルンベルク
 ・ ナチスドイツの人体実験の反省
 ・ 医学実験において被験者の同意を初めて謳った
 ・ 人体実験における倫理的なガイドライン
 ・ 個人の尊厳と倫理的な責任を尊重

1. 医学的研究においては、その被験者の自発的同意が本質的に絶対に必要である。
このことは、その人が同意することができる法的能力を持っていなければならず、暴力、ぺてん、欺き、脅迫、騙し、あるいはその他の表面には現れない形での強制や威圧を受けることなく、理解した上で間違いのない決断を下すのに十分な知識と包括的な理解をもって、自由に選択できる状況の下で、被験者となる人が自発的同意を与えるべきであること、を意味している。
そのためには、医学的研究の対象とされている人から確定的な同意を受理する前に、研究の性質、期間、目的、実施方法や手段、被験者となったために起こりうると考えられるすべての不自由さや危険、健康や人格に対する影響について、医学的研究の対象とされている人は、知らされる必要がある。同意の内容が妥当なものであるかどうかを確かめる責任は、実験を開始し、指導し、あるいは実施する各個人にある。
これは、実施責任者が難を逃れて他の人に押しつけることのできない実施責任者個人の義務であり、責任である。
2. 実験は、他の研究方法や手段では得られず、かつ行き当たりばったりの無益な性質のものではなく、社会的善のための実り多い結果をもたらすものでなくてはならない。
3. 実験は、動物実験の結果に基づき、かつ病気本来の由来を理解し、また期待される結果がその実験の遂行を正当化するような研究において、直面した他の問題についての知識を踏まえた上で計画して行うべきである。
4. 実験は、すべて不必要な肉体的・精神的苦痛や障害を起こさないように行われなくてはならない。
5. 死亡や機能不全を生じる障害を引き起こすことが予め予想される理由がある場合には、その実験を行ってはならない。ただし、実験する医師自身も被験者となる実験の場合は、恐らく例外としてよいであろう。
6. 許容されうる危険の程度は、その実験で解決されるべき問題の人道的重要さの程度を上回ってはならない。
7. 被験者に傷害、機能不全や死をもたらすような僅かな可能性からですら被験者を守るべく、適切な準備をし、十分な設備を整えなければならない。
8. 実験は、科学的有資格者によってのみ実施されなくてはならない。実験を指導し実施する人にとっては、すべての実験段階を通じて最高度の技術と細心の注意が必要である。
9. 実験の進行中に、被験者にとって実験の続行が耐えられない程の肉体的、精神的な状態に達した場合には、随意に実験を中止して貰えなければならない。
10. 自分に求められる誠実さ、優れた技術、注意深い判断に基づいて、実験の継続によって被験者に傷害、機能不全や死をもたらすだろうと推測するに足る理由がある場合には、実施責任者は実験の途中でいつでも実験を中止する心構えでいなくてはならない。

https://cellbank.nibiohn.go.jp/legacy/information/ethics/refhoshino/hoshino0006.htm



◆ ヘルシンキ宣言

 ・ 1964年 発足
 ・ ニュルンベルク綱領に続く宣言
 ・ GCP(医薬品の臨床試験の実施基準)に関与
 ・ ヒトを対象とした医学研究の倫理
 ・ インフォームドコンセント

緒言

人の健康を守ることが医師の使命である。医師は、自己の知識と良心をもってこの使命を達成するよう努めなければならない。

医師は、世界医師会のジュネーブ宣言にある「自分の患者の健康を第一に考えなければならない」という条項を固く守るべきであり、また国際医療倫理綱領には「人間の肉体的または精神的抵抗力を弱めるような行為や助言は、すべてそれを受ける人のためになる場合にだけするべきである」と宣言してある。

学術知識を深めることによって人を助けるためには、研究室での実験結果をヒトに応用することが必須である。したがって世界医師会は、臨床的研究に携わる医師への指針として、次に掲げるような勧告を作成した。強調しておくが、ここに提起する基準は、全世界の医師のための単なる指針にすぎない。医師は自国の法律により刑事責任、民事責任及び倫理的責任から逃れることはできない。

ヒトを対象とする臨床的研究の分野においては、患者の診断や治療のための臨床的研究を基本目的とする場合と、本来の研究目的が純学問的見地からのものであって被験者にとっては治療的価値のない臨床的研究とは、根本的に区別をしなければならない。

https://cellbank.nibiohn.go.jp/legacy/information/ethics/refhoshino/hoshino0006.htm



◆ リスボン宣言

<キーワード>
 ・ 1981年 発行
 ・ ポルトガル リスボン
 ・ 患者の権利宣言
 ・ 医師を選ぶ権利
 ・ 十分な説明を受ける権利
 ・ 尊厳死の権利
 ・ ナチスドイツの人権侵害を教訓としている
 ・ 医療の倫理的な原則と価値観を守る

1. 患者は、自由に自分の意思を選ぶ権利を持っている
2. 患者は、だれからも干渉されることなく自由に臨床的並びに倫理的な判断を下せる医師により診療を受ける権利を持っている。
3. 患者は、十分な説明を受けた後で、治療を受ける権利、あるいは治療を受けることを拒否する権利を持っている。
4. 患者は、医師が患者について知り得たすべての医療上の秘密及ぴ個人的秘密を尊重することを予期する権利を持っている。
5. 患者は、尊厳のうちに死ぬ権利を持っている。
6. 患者は、自分に相応しい宗教の聖職者による助力を含む精神的慰安や道徳的慰安を受ける権利あるいは辞退する権利を持っている。

https://cellbank.nibiohn.go.jp/legacy/information/ethics/refhoshino/hoshino0006.htm





【 過去問まとめ 】

※ 答えはこの記事の一番下に書きました

<2022年度 医療医学系 問01>

世界医師会が採択した人体実験に関する倫理的原則はどれか。

1) リスボン宣言
2) ジュネーブ宣言
3) ヘルシンキ宣言
4) ニュルンベルク綱領
5) ヒポクラテスの誓い

<2021年度 医療医学系 問02>

医の倫理について誤っている組み合わせはどれか。

1) リスボン宣言    ー 尊厳性の尊重
2) リスボン宣言    ー 自己決定権の尊重
3) ジュネーブ宣言   ー 医師の倫理規範
4) ヘルシンキ宣言   ー 被験者の権利の尊重
5) ストックホルム宣言 ー 患者の権利章典

<2019年度 医療医学系 問02>

リスボン宣言に含まれないのはどれか。

1)秘密保持
2)自己決定権
3)尊厳性の尊重
4)代理人の役割
5)パターナリズムの普及




【 参考サイト 】

『 https://cellbank.nibiohn.go.jp/legacy/information/ethics/refhoshino/hoshino0006.htm
https://tmotsubo.com/89massage/class/7324/  』




<2022年度 医療医学系 問01>
3) ヘルシンキ宣言

<2021年度 医療医学系 問02>
5) ストックホルム宣言 ー 患者の権利章典

<2019年度 医療医学系 問02>
5)パターナリズムの普及

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