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新型電子ドラム「e/MERGE」レビュー

遂に発売された話題の電子ドラム、Pearl×KORGのコラボで生まれた「e/MERGE」を早速導入してみました。

開封動画

実演レビュー動画

こちらの記事では動画では解説しきれなかったことを綴っていこうと思います。

KORGのテクノロジーが搭載された電子ドラム

このドラムはハードウェアや本体が国産ドラムメーカーのPearl製、音源モジュールやセンサーなどのテクノロジーが電子楽器・シンセサイザーなどで有名なKORG製とまさに互いの得意分野がコラボレーションした電子ドラムであるということです。

私は以前よりKORGの製品が好きで、家の事務所にあるスピーカーやキーボードもKORGで揃えております。そして以前よりWAVEDRUMという電子パーカッションをとても気に入っておりました。(ライブパフォーマンスで使うぐらい)。

WAVEDRUM

このWAVEDRUMのテクノロジーが画期的で、DSP技術を応用したアルゴリズムとPCM音源を組み合わせた発音方式、圧力センサーに加えエレキギターのようにヘッドやリムを叩いた時の微妙なニュアンスをピックアップで拾うことで表現力が一般的な電子パーカッションと一線を画す素晴らしい全く新しい電子パーカッションなのです。手で叩いたニュアンスやスティックで叩いたニュアンスさえ表現できます。凄いですほんとに。

このテクノロジー「WAVE TRIGGER TECHNOLOGY」が搭載された電子ドラム。考えただけでもワクワクしてきませんか?

私はそれをずっと待ってたんです。PearlさんKORGさん私の夢をかなえてくれて本当にありがとうございます!

音源もコラボレーション

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音源も見事にコラボレーションしています。

下段のNaturalはPearl製のドラムがサンプリングされ「生の質感」に拘った音色。続くMODERNやSTUDIOなどはそのサンプリングされたものをテーマに合わせコンプやイコライジング、リバーブなど加工された音色となっています。例えばレコーディングの場面で自分でじっくり音を作りたいときはNaturalでレコーディングし、それにDAW上でエフェクトをかけていく。

またはMODERNなど加工されたものは即戦力な音色なのであらかじめすでにイメージに合う加工をされた音色でレコーディングし、DAW上で微調整していくなど、音作りにおいてもとても役立つのではと思います。

ELECTRONICはKORGシンセの音色でHYBRIDは文字通りアコースティックのドラムとシンセの音を混ぜたものです。まさにドラムはPearl、シンセはKORGというコラボレーションが音源でも実現しています。興奮が収まりませんね!

ハードウェアは老舗ドラムメーカーの実力

Pearl製のシステムラックはとても堅牢な作りで、安定感も抜群です。またドラマーなら多くの方がすでにPearlのドラムを触ったことがあると思うのですが、ハードウェアのセッティングの感覚がまさにそれと同じなので違和感がなくセッティングできるうえ、耐久性にも安心感がありますね。

少し硬めの打感、大きめのサイズ、だがそれがいい

一般的な電子ドラムに比べると「生の質感に拘った」面が強く、ドラムのサイズ感、叩いた感覚もリアルを目指しています。そのため少しサイズが大きく、打感が硬いゆえ打音が少し大きいという点が挙げられますが、それが逆に生ドラムを演奏している感覚に近く没入感が得られます。ただ、静音性、コンパクトさを重視するのであれば他メーカーものがよいと思います。

演奏感、音質、耐久性は文句なし!一方で・・・

上記の通り、演奏感や音質は本当に大満足です。個人的にはアンビエンス(部屋鳴り)の具合をフェーダーで調整できるのが嬉しい。ライン録音だけのドライなサウンドだとアンサンブルの中で浮くこともあるので部屋鳴りをワンタッチで加味できるのはとても良いと思います。

ただし音源の切り替えの際、読み込みに多少時間がかかる感じがあります。急な音色変更などは苦手なようです。

端子としてはSTEREO OUTに加え8つのダイレクトアウトも対応しているのでレコーディングで使うことも想定されていますね。MIDI outから外部音源を操作することも可能なようです。ただシステム上MIDI inは対応していないようでコンピューターで作成したパターンをe/MERGEで鳴らすといったことはできないようです。(RolandやYAMAHAだと対応しています)

Rolandの最新機種ではBluetoothでのスマホなどからの楽曲再生に対応したり、YAMAHAはプレイ動画を作成しやすいアプリが充実していたりとトレンドに合わせたノウハウを入れていますがe/MERGEはUSBメモリーで楽曲を読み込んだりAUX inに再生デバイスをケーブルでつなぐことで対応しています。

そのことからも「練習用楽器」としてではなく「現場用楽器」を意識したつくりとなっているので、多種多様な内蔵音源に合わせて練習をしたり気軽に楽曲を再生してそれに合わせて叩くということよりもシンプルに音源に拘ったプロユースなものと捉えた方がよいと思います。

電子ドラムの新たな選択肢の一つ

国内ではRolandのV-DrumやYAMAHAのDTXといった電子ドラム2大巨頭が長年君臨してきましたが、近年ATVといったハイレゾサンプリングが売りのaDrumや今回紹介したPearl×KORGのe/MERGEとどんどん選択肢が増えてきましたね。

個人的にはエントリー向けの電子ドラムも販売しているRoland・YAMAHAが気軽に導入したいユーザーにはお勧めなのは変わりないですが、より本格的に!よりリアルに!っていう思考の方ならこれらも選択肢に入ってくるのではと思います。

「周りの人と違うのを持ちたい」というひねくれた感覚の私には今回のe/MERGEは控えめに言って

最高です!

最後までご覧いただきありがとうございました!






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