宇宙基本計画を考える!!
2020年6月29日、宇宙基本計画が閣議決定されました。この計画は5年に一度改定されます。今後10年の宇宙開発を決定する上では非常に重要な計画です。日本の宇宙政策を決定する上で「骨」となる計画でもあります。
宇宙基本計画についてさらに知りたい方は、このnoteをぜひお読みください。非常に分かりやすいです。
宇宙が好きな方はもちろん、そうでない方にもぜひ読んでいただきい資料です。しかしながら、実際読んでみると非常に長く難解です。僕のような一般人にはどこが重要なのか分かりません。そこで、夏休み中少しずつではありますが、分かりやすく説明していこうと思っています(本当にできるか分かりませんが。。。。。)
今日は、今回の宇宙基本計画で、私が感じたことを述べてみようと思います。あくまで一個人での考えになります。
① 日本はどの分野で活躍するのか不明確
今回の計画では、日本が宇宙分野においてどのフィールドで活躍しようとしているのか少し分かりにくいと思います。言い換えれば、どの分野で強みを出していくのかが曖昧なのです。例えば、「宇宙科学分野を強化」、「基幹ロケットをさらに強化」、「有人宇宙開発を推進」など全面に押し出していく活動が一つ必要だと感じました。
② 宇宙を安全保障の場であるという考え
今回の宇宙基本計画ではかなりの割合で、宇宙における安全保障や防衛に話が割かれています。中国やアメリカにおいて宇宙を防衛領域とみなすことが進んでいるためだと考えられます。しかし私は、宇宙基本計画へ優先的に盛り込むべき最も重要なことは「宇宙探査」や「宇宙利用(地球の観測)」などの平和的な役割だと考えます。
ちなみに僕は、宇宙を安全保障の場として捉えることは、大賛成です。それにより、日本が安全な国となるならばそれ以上望むことはありません。しかしながら、「宇宙基本計画」で重点におきすぎていると少し思いました。それだけ重要性が増していることを学びました。
③民間との連携がまだまだ不十分
海外では宇宙産業への民間企業やベンチャー企業の参入が進んでいます。その多くは、成功をおさめ、国からも認められるようになるなど破壊的な成長を遂げています。そのために民間のみの力だけでなく、政府機関も積極的に金銭的支援をしています。例えばNASAでは、2000年代前半から後半にかけて、民間企業の積極的な参入を促すために補助金制度を導入。NASAが用意したあるプログラムに対して、複数の民間やベンチャー企業がそのプログラムに応募します。厳正な審査の後、補助金が与えられ、その資金でロケットや宇宙船を開発します。この制度によって、成功したのがSpaceXです。私の考えですが、日本もこのような方法を採用することでかなりの利点があると思います。
・打ち上げコストを抑えることができる
・技術発達が早い
・国内で「ロケット産業」の育成が促進
などなど
④人工衛星の数>ロケットの打ち上げ数
日本はロケットの年間打ち上げ回数が非常に少ないです。アメリカや急速に発達する中国と比べると。。。。。。。。。。。。。っていう感じです。寂しいくらいです。それでは、いくら経っても「宇宙産業」は発達しないと考えます。
宇宙で人工衛星を利用するには、もちろんロケットが必要です。しかしながら、日本ではロケットの打ち上げ数がそもそも少ないのが現状です。よって、今後は民間やベンチャーも含めたロケットの打ち上げ回数の増加が必須だと考えます。
つまり、
ロケットの打ち上げ回数を増やすことは、国際的に宇宙開発でトップを占めることにつながる
のです。
宇宙基本計画を読んで、日本の宇宙開発にもっと目を向けていきたいと思いました。率直な話ですが、これをニュースで見た時は驚きと怒りでいっぱいでした。本来、日本が得意とする分野(宇宙探査)を前面に押しておらず、「防衛・安全保障」ばかりが目立ちます。宇宙探査はどこに行ったんや!!!と突っ込みました。
ただ、一つずつ解析していくと、そこには戦略的な考え方があることに気が付きました。また、これらの政策が日本を守るためにあるのだということを。本来宇宙をどのように使うべきかということも考えさせてくれました。しかし、それは時代によって異なるため柔軟な考えが必要だと感じました。そのためには、防衛・安全保障分野を強化することも仕方のないことでしょう。
では、考えることが多すぎて、パンクしそうですので、この辺で失礼します。
写真:NASA
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