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【旧約聖書:12】十戒⑦

民たちはツィンの荒れ野に入った。
そして、カデシュにとどまった。
そこには、水がなかった。
民は、モーセと争い、こういった。
「我々の兄弟たちが、神の前で死んだとき、
 私たちも死んでいたらよかったのに。
 なぜこの荒れ野にひきいれ、家畜まで殺そうとするのか。
 ここでは何も育たない。飲み水さえもない。」
そこに、神が姿を現した。
「杖を取れ。アロンよ、民を集めよ。
 彼らの目の前で岩に命じれば、岩は水を出す。
 それを彼らに飲ませるのだ。」
民たちは、これを飲んだ。

モーセはカデシュからエドムの王のもとに使者を遣わした。
「あなたの兄弟、イスラエルはこう申します。
 あなたは私たちの困難をすべてよくご存じのはず。
 私たちの先祖はエジプトに下り、そこに長年住んでいましたが、
 エジプト人は私たちを虐待しました。
 そこで、神は私たちをそこから救い出し、エジプトから逃れました。
 どうか、私たちにあなたの土地を通らせてください。
 私たちは、ただ『王の道』を行き、あなたの領土を通過するだけなのです。」
しかし、エドムの王は応じなかった。
「私のところを通ってはならない。
 私は剣をもっておまえを迎え撃つことになろう。」
そういって、エドムの軍は大勢を率いてやってきた。
このため、イスラエルの民はカデシュを旅立ち、ホル山に着いた。
そこで、アロンは亡くなった。

ネゲブに住んでいたカナン人のアラドの王は、イスラエルがこちらへ進んできたと聞いた。
そこで、イスラエル人の何人かを捕虜としてとらえた。
しかし彼らは反撃に出て、カナン人をすべて打ち殺した。
民は、エドムの地を迂回して、葦の海の道にむけて進んだ。
しかし、民は途中で我慢ができなくなり不平を言った。
そこで、神は人々の間に燃えるヘビを送り、ヘビは民に嚙みつき、
多くの者が死んだ。
彼らは旅を続けた。
モアブに面したイエ・ハ・アバリムからゼレデの谷、アルノン川、ベエル、
マタナ、ナハリエル、バモテ、そしてモアブの谷から、ピスガの頂へと着いた。
そして、アモリ人の王シホンに使者を送った。
「あなたの土地を通らせてください。
 私たちは『王の道』だけを通ります。」
しかし、シホンはこれを許さなかった。
そして、民たちと戦った。
イスラエル人たちは、その地を占領し、そこに住んだ。
さらに、彼らは歩みを進めた。
バシャンへの道を上っていくと、バシャンの王オグが彼らを迎え撃とうと出てきた。
神はモーセに告げた。
「彼らを恐れてはならない。
 あなたの手に全てを与える。」
そこで、人々は、彼らの兵を討ち、一人残らず殺した。
こうして、この地も占領した。
さらに、人々は進んだ。
モアブの草原に着いた。

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