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【旧約聖書:10】エジプトのヨセフ④

その後、エジプトの大地は7年間 大いに実り尽くした。
ヨセフはこの間、この地で獲れた食糧をかき集め、蓄えを増やしていった。
畑で獲れた穀物をそれぞれの町において保管させたのである。
その間、ヨセフに二人の子が生まれた。
一人目の子は、”マナセ”と名付けられた。
そして、二人目の子は、”エフライム”と付けられた。
やがて大飢饉の日が訪れた。
しかし、豊作の間に蓄えた穀物のおかげでエジプトは救われた。

そのころ、ヤコブはエジプトに食糧があることを知って、
息子たちにこう告げた。
「エジプトに行き、穀物を買ってきなさい。
 そうすれば、私たちは生き延びることができるであろう。」

そして、ヨセフの10人の兄弟たちは、エジプトに向かった。
ただし、ヨセフの弟ベンヤミンを除いて。
ヤコブは、彼に災いが降りかかるのを恐れたのである。
こうして、ヨセフの兄弟たちは、ヨセフに対面する運びとなった。
そして、彼にひれ伏して、食糧を求めて拝んだのである。
ヨセフは、彼らを見てすぐに自分の兄弟だと悟ったが、
知らぬふりをした。
そして、彼らにこういった。
「お前たちは、回し者であろう。
 おまえたちが、回し者でないとすれば、それを証明せよ。
 ここに連れてこなかった弟を連れてこい。
 そうしなければ、お前たちの罪は晴れないであろう。
 おまえたちが、正直者だというのなら、
 兄弟のうちの一人を監獄に入れておけ。
 そして、末の弟を私のところへ連れてこい。」
兄弟たちは、話し合った。
これは、弟ヨセフの報いなのだ、と。
ヨセフはこれを聞いていて、隠れて泣いた。
そして、兄弟の一人、シメオンを縛り上げた。
そして、彼らの持つ袋を穀物で満たし、携えた銀を戻し、
道中の食糧を与えた。
兄弟たちは、家に戻る道中、銀が戻されていることに気づき、
神のどんな思し召しだろうか…と身を震わせた。
そして家に着くなり、事の次第をヤコブに告げた。
ヤコブは、兄弟たちに、贈り物と2倍の銀を持たせ、
一番末の弟ベンヤミンを伴わせてエジプトへ送り出した。
彼らが到着すると、ヨセフは彼らを出迎えて自分の家へ連れて行かせた。


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