なぜ本屋さんのブックカバーは片側しか入れないのか
本屋さん好きの僕が昔から疑問に思っていることがある。
それは、店員さんにカバー掛けを頼むと、ほとんどの場合、折り返し先の袋状の部分の片方の側だけに本の表紙がつっこまれ、反対側はただ折り返したままにしてあるという事だ。
あるいは両端とも折り返しのままである事も多い。
一方、両端ともがきちんと挿し込まれている確率はほとんど皆無に近い。
両端が折り込まれている場合は、たぶん時間の節約だろうと解釈はします。
しかし、片側を入れておいてもう片方がセルフサービスというのは何とも不思議な気持ちになります。
たとえば、あなたは靴を片方だけ履いて、もう片方はカカトを踏んで歩くだろうか?
あるいはたとえば、イヤフォンを片側だけだらしなく垂らしたまま音楽を楽しむだろうか?
たとえばたとえば、下着に片足だけ通してジーンズを穿きこなすのだろうか?
しかししかし、世の中の人は寛大である。そんな取るに足りない事で不満を言ってる人はいないようである。
この片側だけ問題は、私の中ではもうずっと問題なのであるが、一向に改善されないという事は、気に留めている人はほとんどいないのだろう。
ところで、あなたは本にカバーを掛けない派だろうか?
私は断固としてカバーを掛ける派である。
いや、何も恥ずかしいあんな本やこんな本を人様の前で読んでるわけではないが(前じゃなきゃ読むのか?)、マナーとしてカバーは掛けたい年頃なのである。
たとえばあなたは買い物カゴの中身を誰かに見られて平気ですか?
あるいはたとえば、銭湯で体をタオルで隠さない派ですか?
たとえばたとえばあなたは下着のラインを透けたまま見せたがる変態ですか?
よろしい。
ようこそこちら側へ(どちらだ?)
つまり、私にとって自分の読んでいる本を他人に知られるという事はとても恥ずかしいという話である。
他人の本棚は気になるが、自分のデリケートゾーンは隠したい年頃である(くどい)
だからカバーは愛用するし、買った本はすぐに読みたいのだけど、まずは両端や片側をカバーにつっこまなければいけないという一手間が地味に面倒なのである。
読書で培った知性あふれるこの文章が全国の書店員のみなさまに、届く事を切に願います。
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