AI技術では生み出せない文章のおかしみ

アイデアは、既存の組み合わせだとよく言われる。

文章もまたそうだろう。

誰かが書いた文章を読みたいと思うのは、自分が考えていることの答え合わせというよりは上書きではないだろうか？

興味を持った時点で、賛成であれ、反対であれ、何かが心の琴線にふれる。

大抵の文章は、自分の思った通りには書かれていない。自分だったらこう書くのにな、と思ったものが溜まりすぎたら、僕はこうして文章を書く。

中には醗酵しているのか腐っているのか判断に困るものもあるけど、自分の中の薄っぺらい辞書をひっかき回し、言葉を選んで文章を紡いでいく。

この先いくらAI技術が進化しようとも、自動生成されたアイデアの組み合わせは、思考のきっかけにはなっても感心はしないだろう。

短距離走に車で挑んでタイムを出しても生まれない感情と同じだ。

いつかこんな考えも古いとAI技術が作成した文章に揶揄されるかもしれない。

けれども僕は人の書いた文章が読みたい。そこにおかしみがあると思う。

決まり言葉で言えば、

だって人間だもの。