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橋下徹さんと林先生の授業

遅ればせながら、6/21に放送された初耳学を拝見しました。

これは過去に放送された『高学歴ニートさんへの授業』の再編集Verです。

過去にもリアルタイムで見ているのですが、今回改めて、見て良かったなぁ〜と思ったので、この素敵な番組の内容をご紹介しますね。

初耳学はホント面白いし、熱い回が多くて大好きなんです。

橋下徹さんの主張は、かいつまむと、

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「死ぬまでにやりたい事をとことんやって自分の人生を燃焼し尽くせ!」

というシンプルなもの。

橋下さんは駆け出しの弁護士時代、少年事件に力を入れていましたが、最初はいわゆる一般的な弁護士スタイルである

ネクタイ、黒髪、スーツ姿で少年院に行ったところ、誰もまともに話を聞こうとしてしてくれなかったので、

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茶髪の弁護士になってみたそうです(笑)

そうやってガムシャラにやっていたら、その独特なスタイルが功を奏したのか、ラジオ番組に呼ばれたのがきっかけでメディアデビューとなりました。

その後は数々の人気番組に出る機会を得て、政治にいろいろ意見をしたけれど、何も変わらないので、自分で変えようと、38歳で大阪府知事に立候補し、現在に至るわけです。

そこで橋下さんはみんなにこう問いかけます。

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「どう?この人生、計画的だと思う?」

そして、

「自分は20代の頃から計画して目標を持って生きてきたわけではない」

ただただガムシャラにやってきた結果、そうなったのだと。

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嫌な仕事はどんどん変えればいい、と。

その上で、自分のやりたい事をできるだけ早く見つけて、見つけたらそれをとことん悔いがないようにやり抜く。

そうすれば、仮に今死んでも全然後悔はない人生だと思える、と。

続いて紹介する林先生の授業は、橋下さんとは対照的な内容でした。

まず、林先生は黒板にこんなマトリックス図を描きます。

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縦軸は「(他者からの評価として自分が)できること・できないこと」

横軸は「(自分が)やりたいこと・やりたくないこと」

どっちの軸で考えるかが人生の分かれ目であると話します。

たとえばジョブズさんをこの軸で表現すると、

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ジョブズさんは自分のやりたい事をできた人。これは最高の形。橋下さんもこちら側の人ですね。

仕事が「やりたくてできる」のは一番いい形。

でも、普通は「やりたい事をできる」人は少ない。多くの人が悩むのもココ。

そこで、林先生は「やりたい事」って何なのかを深掘りします。

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人間の願望は周りのモノから作られた偶然の産物。人は情報に欲望を喚起されてやりたいと思うものだと。

だから、やりたいと思った事は絶対的なものではないよ、と。

たとえば、子どもの頃になりたい職業に先生や芸能人を挙げがちですが、それは情報が得やすいからです。今ならYouTuberも身近に感じられるので、若い方の憧れの対象になりやすいですよね。

さらに先生はこう続けます。

「情報が内部化されて自分の思いにすり替わってないですか?」

それに対して「(他者評価の)できる、は偶然ではない」と。

ここから抽象化の具体例に入ります。

さすが現代文のカリスマ講師、論理的な話運びですね(笑)

林先生は自分自身を「やりたくないけど、他者から見て自分ができる事を平気でやれる人間」であると定義します。

つまり、好きでもない事をやれるんですね。

ではなぜ、やりたくない事をするようになったかと言うと、

バブルの頃、六本木でワイワイやってる羽振りのいい連中に憧れ、情報に踊らされるまま、銀行員になったり、投資をしてみたりしたんだそうです。

しかし、どれもうまく行かず、借金ばかりが増え、これ以上は返済できないとある時、見切りをつけなければいけなかったんです。

これを林先生は、

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「失敗の実験」と呼んでいます。

そして、失敗を経験した末に、ふと思い出したのが学生時代にやっていた塾講師のアルバイト。

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どの塾に行っても勧誘されたと。

つまり、他人から見るとどうやら自分には「できる事」がありそうだと。

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借金も返さなきゃいけないし、やりたい事はやったんだから、これからは「できる事」をやってみよう、と。

できる事をやろうと思って、予備校講師に徹したら、

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何も悩む事はなく、今までこれたそうです。

ここで生徒さんから、「でもやりたくない事とは言え、ここまで有名になって収入はあるし、今は塾講師の仕事も楽しいんでしょ?」と聞かれると、

なんと、林先生はこう答えます。

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「全然楽しくないよ」

えっ?(笑)

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やりたくないけど、周りから依頼されているので、やっているだけだと。

生徒さんはさらに続けます。

「じゃあ、この収録自体も本当はやりたくないんですか?」

先生は、しばしの沈黙の後、

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「そうだよ」と。

ええっーーー!!

ちょっち、ぶっちゃけすぎじゃない!?(笑)

ただね、

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必要とされているから、やるからには勝ちたいとゲーム感覚でやっていると。

ここで林先生はなぜそれを選んだのか理由を語ります。

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林先生が本当にやりたかったのは、

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本を書くこと。

ある時、フリー編集者の方から、執筆の依頼が来ます。

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先生は、自己啓発本なんて読んだ事がなかったので、ビックリしたそうです。

でも、そこで興味のない本だから書かないとは断らなかったんですね。

なぜなら、先生はこう思ったそうです。

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そうか、自分って、他人から見ればそういう本が書けそうな人間に見えるんだって。

結果、トータルで売れた出版数は、

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なんと100万部!!

すごっ!

その編集者の方は功績が認められて、大手出版社で正社員に採用されたそうです。そうしたら、その方の奥さんのご両親が、将来不安定だと思った旦那さんが立派になってくれたと喜んでくれた。

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その時、書きたくない本を書いて良かったなと思ったそうです。

さらに、そこからある提案が舞い込んで来ます。

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自分の書きたい本を書いてくださいって。

やったー!ついに書きたい本が書けるゾ!

そこで先生が書いたのがこちらの本↓

なぜに、このテーマ?(笑)

まぁ、書きたいものはしょうがないですよね。

ところが、

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全然売れない!

重版にならなかった唯一の本だそうです。

でも、

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とりあえず、書きたいものは書けたからいい、と。

ただ、こんな屈辱を味わうんだったら、書きたくない本を出す方がマシだと思ったそうです。

また自分のやりたいものを書かないんですか?という質問には、

自分が書きたいものを書いて迷惑をかけた事は消えないし、

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プロだから1回で終わりだそうです。

なるほど。失敗の実験ですね。

いや〜、それにしても名講義でしたね。

完全版がブルーレイで発売されたら是非欲しいです!

高学歴ニートの方たちも、さすがはって感じで、質問が鋭い。きっとさ、全部が納得した形ではなかったと思うんですよね。

番組だし、盛り上がるところだけを編集するのも仕方ないと思います。

林先生も、自分の考えとすり合わせた上で、少しだけ考える方向が変われば話した甲斐もあるかな、って程度に聞いてとおっしゃってましたし。

ただね、自分の人生を見つめ直す上で、きっかけの授業としては、対照的な二人のお話がよくある成功者の面白みのないキレイごとよりも納得できました。

失礼ながら、どちらも異端児扱いされてきた人だと思うんですが、そういう人の話の方がリアルで面白いし、今の時代の若者にも伝わるものがあるんじゃないかと思いました。

みなさんはいかがでしたか?

何かやるなら、

今でしょ!!


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