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本は自分だけのノートである。

僕は本はノートだと思っています。

なので書き込みをよくします。

記憶に残るように、書き込みをしたり、付箋を貼ったり、とにかく本を汚します。

こういった行為は、本を大切にしなさいと教わった人ほど抵抗があるかもしれません。特に高い本ほど大事に扱いたくなる気持ちは僕にもよく分かります。

それでも僕は、自分の記憶に残るように本を汚します。

本から得られる知識は使わないと意味がありません。高価な本や分厚い本をたくさん持っていても、中身を知らなければ意味はありません。

せっかく誰かが何かを伝えようとして文字にしてくれたのですから、自分にとって有益な事はどんどん試していきたい。

科学的に、マーカーを引くのはダメだとか、付箋を貼っても意味がないなど、いろんな意見もあるかとは思いますが、

自分にとってはとにかく記憶に残りさえすれば、何かに迷った時に、そう言えばこれに対するアドバイスを書いた本があったゾと思い出しさえすれば、すぐに本棚から取り出して該当の文章が読めます。

僕はよくそういった芋づる式の関連本を自分に分かるようにします。

余白にリンク先の本のタイトルとページを書いたり、連想した事を書き込みます。

そういう風にして自分だけのノートを作っていきます。

切り抜きして、どんどん捨てるという人もいますが、本が好きなので捨てるのは抵抗がありますし、また書き込みがしてあるので売る事はできません。

何より自分だけのノートがそこにあるので愛着があるため手放す事はなかなかできません。

結果、蔵書が限られたスペースを圧迫します。

だったら電子書籍が良いのでは?と思いますよね。

確かに電子書籍は、データですからいくら書き込みをしても汚れないし、劣化もしません。文字のサイズも端末ごとの画面に合わせて変えられるし、検索性も優れています。

もちろん僕は電子書籍も利用していますので、使いやすさはよく分かっているつもりです。オーディオブックの音声データにもよくお世話になっています。

それでもやっぱり僕は古い人間なので、紙の本が一番好きです。

この感覚は紙の本で育ってきた人間だからこの先も変わらないと思います。

紙の本の利点としては、付箋を貼ったページ同士をパッと見比べられますし、何冊もマルチウインドウのように広げられます。

先ほど書いたように、僕はよく他の本にも浮気するので、気がつけば、いろんな本が机の上にチョウチョが舞うように置かれています。

電子書籍でも似たような事はできますが、質感や自分が汚したアナログの本の魅力には勝てません(意味不明)

僕の場合、本は自分の手で汚せば汚すほど記憶に残るのです。

質量と記憶には関連性があるように思います。というのも、ある本のあるページを探す時、不思議と自分の書き込みがどの辺りか分かる事が多いのです。 

記憶って、場所やその時の空気感で手繰り寄せますよね?

おそらく映像や体感で記憶に残る部分があるのでしょう。

電子書籍だと、ページをめくっている感覚は薄く、読んでいるページが全体のどの辺りか記憶に残りにくいです。何%まで読んだと表示されても読書時間の目安にしかなりません。

これも世代ゆえの感覚なんでしょうね。

今は何でもかんでもネットで調べられる時代です。たとえば、文中に分からないコトバがあれば指でなぞって意味を知る事も簡単です。

僕はまだスマホが無かった学生時代には小型の辞書を持っていましたし、手元に辞書が無い時は、意味が分からないコトバは近くの本屋さんに駆け込んで調べていました。

今から考えれば、めちゃくちゃ面倒臭いです。しかし、そうやって手間をかけたコトバに再会すると、コトバの意味だけではない記憶が呼び覚まされて、不思議な感覚になります。

何だか久しぶりに会った友人に抱く懐かしさに似たものがそこにはあります。

そうなるとコトバは自分の言葉になります。

指先で調べたコトバには重さが無く、コトバは相変わらずコトバのままで、いつまで経っても初対面の気持ちになるのは僕だけでしょうか?

コトバの集合体である本もまた同じです。

一回読んで頭に残る本ってなかなか無いものです。

いろんな本と出会って、その時の印象を書き込んだ本は顔見知りになります。

僕にとって何度も読み直した本は困った時に助けてくれる親友です。

この親友は、出会う度にいろんな事を気づかせてくれます。

実際は、本に書かれた文章が変わるわけではないので、自分が変わっているのでしょうけど、良い本というのは実に寛容であり、様々な問いかけをしてくれます。そういう本が自分の本棚に並んでいくのです。

デジタル本棚に表紙が並んでいても、まるでYouTubeのサムネイルをボーッと眺めているだけの気持ちになります。本には質感が大事です。

とは言え、スペースは限られていますから、自分にとって必要のないと思える本は整理しなければなりません。

いつかバーチャル上でアナログ感覚で本棚からサッと取り出し、パパッとページがめくれる質感を伴った自分だけの図書館が持てたら嬉しいです。

そんな時代はもう目の前に来ていると思います。

あなたはノートを何冊持っていますか?


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