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スーパーファミコンの隠れた名作「エストポリス伝記」が今も語り継がれる理由

今日は筆者がスーパーファミコン(SFC)時代に思い入れがあった物を紹介。
スーパーファミコン(SFC)の黄金期、数多くの名作が誕生しました。
その中で、ひっそりと輝きを放っていたRPGが「エストポリス伝記」と
その続編「エストポリス伝記Ⅱ」です。
このシリーズは、一般的にはドラクエやFFのような知名度はないものの、
特にロスジェネ氷河期世代にとっては忘れがたい作品となっています。
なぜなら、その物語や世界観、
システムが、私たちの時代背景と強く共鳴していたからです。

エストポリス伝記


1993年に発売された「エストポリス伝記」は、
SFCのRPG市場で目立つことはありませんでした。
しかし、この作品はその小規模な世界観の中で、
深いテーマと感情を描き出していました。
特に「小さな村から始まる英雄たちの冒険」というテーマは、
ロスジェネ世代にとって象徴的でした。
当時の私たちは、社会の厳しい現実に直面しながらも、
自分たちの力で何かを変えたいという希望を抱いていました。
このゲームの主人公たちもまた、普通の若者でありながら、
自分たちの信念を貫き、世界を救うという壮大な冒険に挑んでいました。

エストポリス伝記は、ストーリーこそシンプルですが、
キャラクターたちの成長や、彼らが直面する困難が、
まるで当時の私たち自身の物語のように感じられました。
特に、主人公のマキシムが仲間たちと絆を深めながら進んでいく姿は、
私たちが友人や仲間と支え合いながら歩んできた青春時代そのものでした。
まさに王道RPGと言っていいものでしたね。

エストポリス伝記Ⅱ


1995年に発売された「エストポリス伝記Ⅱ」は、
前作をさらに深めた壮大な物語を描きました。
この続編は、単なる冒険譚にとどまらず、
運命に翻弄される登場人物たちの悲劇的な物語が、
より複雑で感動的に描かれています。
特に、エンディングに至るまでの展開は、プレイヤーの心を強く揺さぶりました。

エストポリス伝記Ⅱは、前作の物語を補完しつつも、
全く新しい視点を提供しました。
マキシムとセレナの運命の恋愛や、彼らが選ぶ「犠牲」というテーマは、
当時の私たちにとって非常にリアルなものでした。
バブル崩壊後の日本社会で、
私たちは「夢を追い続けること」と「現実を受け入れること」の間で揺れ動いていました。エストポリス伝記Ⅱの物語は、まさにその葛藤を描いており、私たちの心に深く刻まれました。

ゲームシステムの革新と時代性


エストポリス伝記シリーズは、そのシナリオだけでなく、
ゲームシステムの面でも独自性を持っていました。
特に、「タワーディフェンス」と「パズル要素」を組み合わせたダンジョン攻略は、
当時としては斬新で、プレイヤーに新しい挑戦を提供しました。
このシステムは、単調なRPGの戦闘から脱却し、
より戦略的な思考を求められるものとなっていました。
当時のあらゆる要素を取り入れた貪欲な内容になっていました。
トルネコ的な「いにしえの洞窟」という場所があり、何回もやってましたね。

また、シリーズを通して描かれる「家族の絆」や「運命に抗う意志」というテーマは、
ロスジェネ氷河期世代が直面していた社会的な課題と重なります。
就職氷河期の中で、自分の未来を見つめ直し、
家族や仲間と共に生きる意味を問いかけられる私たちにとって、
エストポリス伝記の物語はまさに「共感」を呼ぶものでした。

BGMも秀逸な出来で今聞いても色褪せることがない名曲揃いでした。

ロスジェネ氷河期世代への影響
エストポリス伝記シリーズが私たちロスジェネ氷河期世代に与えた影響は計り知れません。この作品は、ただのゲームとして楽しむだけでなく、私たちの人生観や価値観にまで影響を与えました。特に、エストポリス伝記Ⅱのエンディングで描かれる「選択」と「犠牲」のテーマは、私たちが大人になる過程で直面する現実そのものでした。

エストポリス伝記は、私たちがどんなに厳しい現実に直面しても、
自分の信念を貫き、仲間と共に歩んでいくことの大切さを教えてくれました。
今、この作品を振り返ることで、当時の自分たちの思いや感情を再確認し、
未来へと繋げるヒントを得ることができるのです。

終わりに


エストポリス伝記とエストポリス伝記Ⅱは、単なるゲームではなく、
私たちロスジェネ氷河期世代にとっての「心の糧」でした。
この作品を通して学んだこと、感じたことは、
今でも私たちの中に深く刻まれています。
スーパーファミコンという時代を越えて、エストポリス伝記シリーズは、
私たちにとって永遠に輝く「伝記」として存在し続けるのです。
ぜひとも、現行ハードで出来ることを望みたいです。

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