26才だけど、高校生のわたし

あれ

なにか違う気がする。

ほんの一秒、よりもっと短い前の"わたし"と
今の"わたし"は、なにかが違う。

グレーのシーツにだらしなく上を向いて、
携帯とその先の白い天井を視界に入れていた"わたし"が、
感じているのは高校生の時の"わたし"だった。


そこにはいつも漫然とある繫がりがなくて、
いつかのなつかしさが現れて。

自立のできる楽しさと、わからず取らされる責任と、
忘れられない苦しさと、大切にしていきたい人達と、

住む場所も思い出も生きる目的もなにもかも変えて、
なにもかもを塗り替えたはずだった。

高校生のわたしはなにをしても自由で、
その自由をしようもないことにつかって、
でもそんな行為もたいして影響しなくて、
ちょっと苦しくても泣いたり怒ったりして、

そんなことをしていれば全然擦り減らなくて、
心臓にまとわりつく嫌な感じも全然なくて。


今、なによりもなつかしいのは、
あの時みたいに軽快に脈の打つ心臓。
気づかなかった、
こんなに動かなくなっていたってこと。

それはきっとこの数週間、自由だけどしようもなくて
目標もなく自堕落に生活していた、
情けないけれど大事な日々があったから。


大学は卒業したけど、間違いだらけだったよ。


おかえり

また作っていこうね。


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