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もしも世界から睡眠不足が消えたなら

最近、仕事のことやら、課外活動やら、子育てのことやらで、めちゃんこ睡眠不足の場面がありました。

この週末で睡眠負債を解消してなんとか持ち直したのですが、いやあ、やっぱり改めて睡眠不足は恐ろしいなと思いましたね。

まず、睡眠不足だと、頭が全然働きません。たとえば、普段、わさわさ湧き上がってくるアイディアとか文章とかがパタッと止まってしまう。思考が定まらないのでまずテーマからして全然決まらない。これはnoteなどを書く時の話ですが、当然、それ以外の場面でも頭に幕が張られたようにぼんやりしてしまって危険を感じました。開店休業状態です。

そして、機嫌も悪くなります。睡眠不足だと精神的な耐性や寛容さも弱体化してしまって、些細なことでイライラしたり、落ち込んだりするようになります。普段は封印されてる感情の暴れ馬が、その封印を解かれて好き放題やりはじめる感じです。感情の抑えが効かない。イライラすると余計にトラブルも起こしがちになって、また余計にイライラするという悪循環にも陥ります。

最後、これはすぐに実感できるタイプの要素ではないのですが、身体健康面にも睡眠不足は悪いんですよね。江草は別に睡眠医学の専門家ではないので、ちゃんとエビデンスに精通しているわけではないのですが、まあ睡眠不足が健康に良くないのは定説としてよく聞くところであります。「8時間寝ましょう」みたいな推奨はよくありますでしょ。(なお、7時間以上の睡眠はむしろ良くないという主張も見たことはありますが、まあ短くて良いとまで言う人は少ないです)

だから、睡眠不足だと、頭も働かないし、機嫌も悪くなるし、身体にも悪いと。三拍子そろった大悪なわけです。

江草は以前個人的スローガンとして「Cool head, warm heart, vital body, and calm spirit.」(冷静な頭脳、温かい心、活力ある身体、そして穏やかな精神)というものを掲げてると書いたことがありましたけれど、恐ろしいことに睡眠不足だとこの全てが失われることになります。非常によくありません。

それもあって、江草はもともと「眠主主義」という半分ネタっぽさもありつつ半分本気のイデオロギーを提唱しているわけですが、やっぱりこのイデオロギーはもっと強調していかないなと思いました。

ぶっちゃけ、もし世の中の全ての人において一斉に睡眠不足が解消されたら、社会問題のほとんどは一気に緩和解消しちゃうんじゃないかとさえ思うんですよ。

寝られてない人が多いから、頭が冴えず変なことやミスをしでかすし、機嫌が悪いから対人トラブルや対立を多発させるし、身体を壊して生産性が低下し医療福祉のケアコストがかかると。今の世の中の社会問題はこういうこと(睡眠不足要因)から来てるところが多分にあるんではないかと。

で、睡眠不足の人って、自身が睡眠不足によってパフォーマンスが下がってること(あるいはおそらく自身の機嫌や性格が悪くなってること)に対する自覚もしにくくなるんだという指摘があります。

睡眠不足でも「いやー、これぐらい寝たら十分、全然大丈夫、俺ショートスリーパーだし」って思えちゃうわけです。明らかなる酔っ払いが「いやあ、全然俺シラフだから」と言いながら車を運転しているようなものです。彼は本気で自分では「普通だ」「これぐらいの行為は難なく出来る」と感じているんですね。

だから、「睡眠不足は良くない」という一般論はみな知識としては分かっていながら、「今忙しいから」「多少は無理してでも頑張るしかないから」みたいな感じで、「仕方ないもの」として睡眠不足は放置されがちなわけですね。いわゆる「木こりのジレンマ」の感があります。

主観的な危機感があまり抱かれないからこそ、社会的な睡眠不足問題を解消するのに現実的には高いハードルがあるのは事実です。

なので、これはあくまで「もしも」の夢物語ではあるんですけど、もしもね、みんなの睡眠不足が一斉に解消されたら、けっこうなことになるんじゃないかなと、改めて思った次第です。

「睡眠不足、ダメ、ゼッタイ」

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