winter kite flying
電線が凧を喰っていた日
畠を走った
頭の上で
カラカラ音をたて
糸が走っていく
早く走れば
一挙に凧は天高く舞い上がる
でもどんなに頑張っても
畠は行き止まる
巻いた糸がなくなって
もう走るところもなくなると
上がれ上がれと
糸をグイグイ引いても
畠の向こうの電線が
凧を吸い寄せて
喰ってしまう
それでも何日かすると
凧の残骸を見ながらも
この風だと
カラカラ糸が走る音を
頭の上で聞きながら
畠の端まで駆けた
冬晴れの中を
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