inexcludabilities
頭の上に天をひっさげ
海の向こうから
やってきた幸いにいきつづけるひとびと
こころ誘われ
生まれ故郷をいで
学び舎の門をたたき
その志操を試される数年ののち
おのれを捨てて
ひとの魂の平安のために
命を賭する誓いのもと
ひとびとのあいだにつねにあって
親しき友となるために
世界の書という書を読み
外つ国のことばを操るまで
伝える力を鍛えあげ
日々同じこころざしの友らと
いのりこころを堅くし
まなびの時の終わりを告げられ
ついに学舎からこの世に
派遣されこの国に足を踏み下ろした
天が無窮へと消えいるこの国に来て
ひとびとと暮らし
学びのこころを耕しながらも
天主の教えを語る口も舌も
為政者の力づくで
閉ざされ断ち切られ
見せしめに苦しみの極みにおかれ
息絶えて行った
その背後にあって
この国の天を守らんとした知恵よ
一切のその痕跡を消し去らんとし
地上の生きたその働きを絶たんとし
愚かにもみずから潰えた
数百年続く息づく声の前に
天の天たる違いを究めねば
絶つことかなわぬ知恵の働きに
消し去らんとしたものが
確固として形をとどめ
目に見えるもののうちに
消そうとすれば消そうとするほど
ひとの命の長さを超えて
目に見えないもののうちに
消し去られるべきものとして
声響かせ続ける
生まれ故郷から学び舎へと引き離され
天の働きへと引き上げられ
天を頭にひっさげたものたち
その労苦、引き継がれなお息づいている
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