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frange ab intus

窓の外には
いつものように
みどり広がる
無限の水平線
あの日あのとき
ことばが突き抜けた
初めて出会う
生きた躍動
それまでの
平坦な何ひとつ
駆り立てることのなかった
ありふれた日常の永続
この壁は崩れない
この格子戸はかわらない
何も変わらないなら
何も受け止めない
なにをされても
あらがわない
壁となって生きていた
音だけが反響する壁として
暮らしていた
あの日あの時
ことばはわたしのからだになった
生きていてよかったと
これから生きていけると
壁も格子戸も
囚われ人であることも
ことばが打ち破った
わたしとともに世界に出ていこうと
あなたはあなたとして生きていきなさいと
あなたも囚われているひとに
このことばを届けなさいと
わたしはあなたとひとつになり
あなたはわたしとひとつになった

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