見出し画像

ゲーム制作にかかる時間【中編RPGの場合】

ゲーム制作にかかる時間【RPGの場合】

どうもこんにちは。
エグザムゲームズです。
今回はゲーム制作にかかる時間の情報公開と、その確保手段について書いてみます。
■こんな人向け
・これからゲームを作りたい人
・兼業ゲーム開発をしている、または考えている
・PCゲームである(テストしたのはPC向けゲームです。アプリは知らん)
■こういうことが得られます
・作業時間の参考が得られる
(作るゲームは中編のRPGとします)

作るゲームは中規模のRPG

中規模、中編とは……?
当サークルの処女作である【ダブル エルフ ファンタジー】を元にしましょう。
※作品のリンク先はR18です。年齢確認が入りますが念のため。ご注意ください。
※言い忘れていましたが、今回はアダルト向けゲームのイメージです。でも全年齢だろうと作るものは一緒で、立ち絵もイベントCGも入れたいよね、ということで皆さんの環境に置き換えて考えてみてください。
今回は作った要素の書き出しなので、中編は絶対これくらい、というものではありません。
あくまで筆者の思う中編ならこんなもんかな〜、とお考えください。

・2DのRPGである。
・プレイ時間は6〜8時間くらい。
・ザコとボスの戦闘、マップを歩き回る探索、メインの会話イベント、サブの会話イベントがある。
・CG(えちちなイラスト)が10枚程度ある。

少し具体化すると、下記のような要素を作る必要が出てきます。
・ドラクエ2のような、複数人パーティーでの戦闘と成長要素
・ドラクエのような、見下ろし型の2Dマップの探索
・キャラクター立ち絵が表示される会話デモシーン
・アダルトゲームのような、えちちなイラストとデモシーン
・本筋とはあまり関係がない、ステータスが上がったり、役立つ装備品が貰えるサブイベント
・買い物、アイテム合成、イベント回想モード、セーブロードなどのシステム

意外と多いですよね。
実際に作ってみた際には、回想モードやアイテム合成の作成と管理が特に時間かかりました。
ゲームを作ろう!と思い立っても、ストーリーやキャラ設定ばかり考えて、細かいシステムなんて考えなかったのです。非常に浅はかです。

実作業時間

さて、合計でどれくらい時間がかかったのか、データから見てみましょう。

開始 2018年10月
完成 2019年4月
発売 2019年6月

実作業時間:300時間
ツール外の作業時間:50時間
デバッグ時間:50時間
→総作業時間:400時間

制作から考えると、もう4年も前なんですね。構想からとなるともう数か月前かな?
「ダブル エルフ ファンタジー」は当サークルがゲームを作って売っていこうと決心できた作品なので、思い出深いです。

製作期間は6ヶ月、作業時間は400時間。となりました。
ツールを使うこと自体が初めてで、手探りで機能を理解して応用したり、足りないものは自作しました。慣れるまではどのツールも時間が必要ですね。
使用ツールは「ウディタ(WOLF RPGエディター)」です。使った理由は、
・RPGを作る基本的な機能が備わっていること。
・プログラムは書かず、スクリプトの組み合わせで色々作れること。
・安定して動作し、既存技術やノウハウの公開が多数されていること。
という、専業プログラマーではない筆者でもゲームを作れると思わせてくれたツールであったからです。
制作者の「SmokingWOLF」氏に多大なる感謝を。
SmokingWOLF 公式サイトはこちら。

2018年には同人ゲーム開発にもUnityの波が来ていましたが、覚えることが膨大すぎて筆者には扱いきれませんでした。
習得に時間がかかり、技術書も情報も少ないツールよりも、安定して作動し、先立者の技術とノウハウが多く共有されているツールを選びました。
初めてのゲーム開発を試す際に、速さは力、ということと、背伸びや無理をしない堅実な開発を心掛けました。
……え?
戦闘システム、成長要素、ステータスのデータベース、敵味方のデータベース、技コマンドのデータベース、エフェクト、セーブ・ロード、オプション設定、マップチップと当たり判定、ゲームとして動くための出力方法などを自作するって?
自殺行為です。最初はやめたほうがいいです。
初めてゲームを作るなら、既存の技術を使って作業時間を削減しましょう。

そのほか、イラストは既存のアセットを購入したり、絵師さんに発注したので発注管理や監修作業が必要でした。
シナリオは自分で用意したのと、知り合いのライターさんに手伝ってもらいました。
みなさんご協力いただきありがとうございました。

作業時間の換算

はいはい400時間ね。それで6ヶ月ね。
ふんふんなるほど!ってことは毎月約60時間やれば完成ってことか!
で、実際に確保するとどうなる?という計算です。

平日に毎日2時間作業を進める:2×5=10時間
休日に毎日8時間作業を進める:8×2=16時間
一週間で26時間の作業時間が確保できそうです。
これを毎週、休まずやり続けると……。
26×4週間=104時間
一ヶ月で104時間の作業時間が確保できそうです。

平日に毎日、仕事から帰ってきて2時間は作業しよう!
休日に毎日、朝の9時から夕方18時まで8時間の作業しよう!休憩は1時間もある!
これを毎月続けよう!
ということは少し休んでも、4~6か月で作れそうですね!

無理かな?できるかな?
アドバイスです。やめておきましょう
作業分担ができるなら、人に頼みましょう。
筆者は、一ミリも描けないイラストを外注し、ストーリーは知り合いのライターに助けてもらいました。
そのほかは、全て自前でやってました。
おかげで、プライベートは全て投げ捨ててしまいました。

友達付き合いをゼロにしました。飲み会も行かなくなりました。
毎晩、部屋の電気を点けっぱなし、椅子の上で死んだように寝落ちして朝を迎えました。
よくエナジードリンクを飲んでいました。飲むと眠気が飛び、テンションは上向き、体が動きます。世界の中で自分だけがぐんと加速します。
仕事中も眠くて大変でした。会社の外階段から見える空は広く、飛べるかな?と何度も思いました。
でもいいこともありました。道端の小さな花がキレイに見えたり、通勤電車から眺める見慣れた風景に心が震えたりしました。
家ではいつもパソコンに向かって作業していました。知人や家族から本気で心配をされました。(すまぬ……)
それでもゲームはすぐ完成しませんでした。
そんな生活を6ヶ月続けました。
6か月、半年、と文字にすれば数文字ですが、実体験としてはかなり長く感じました。精神的に、長期間、ひとときも休みがない状態はきついです。
休憩よりも作業をしなければいけないと考え、気分転換に出かけても「これ行かなかったら○時間できたのに……」と考えてまったく楽しめず、いつも焦っていた気がします。

まぁ、専業であれば全然余裕で確保できる作業時間なのかもしれませんが。
今回は兼業ゲーム開発のケースです。

ゲーム制作は時間がかかる

ゲームを作る。作るだけでもものすごく大変です。
このNoteを書いている最中、昔のことを思い出して暗い気持ちになりました。
でもゲームは見事に完成して、発売することができました。
喉元過ぎれば熱さ忘れる。「昔は大変だったなぁ、無茶ができたなぁ」くらいに思っています。
売上的にはちょっと赤字。海外版でなんとかトントンに持っていった感じですが、このまま続けていたらマトモな生活水準でゲームで食っていけるかも?と思えるくらいでした。

そして次回作へ……!

ゲームで得た利益は全て、次回作に注ぎ込んでいます。
開発時のノウハウもできる限り活用しています。
足りなかった点は反省として次回作で挽回しています。
しかし今回は6か月の苦行でしたが、次回作ではもっと制作期間が延びることになりました。
プライベートを投げ捨てた開発をさらに1年半!通算で2年!
果たして身体は大丈夫なのか!精神的に健全か!?

渾身の次回作……【温泉勇者】をみなさんもぜひ遊んでみてくださいね!
DLsiteFANZA同人で好評発売中!
Steamでも発売予定!

では、よきゲーム制作ライフを!
くれぐれも健康には気をつけて!!




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?