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なぜ中央省庁の働き方改革が必要なのか~自己紹介あり~

はじめまして、『おもち』と申します。中央省庁で過去働いていた経験を生かし、YouTube、ツイッターなどのSNSで情報発信しています。

発信を開始したのは、2020年1月からで、2020年11月現在、Twitterは約2.4万人、YouTubeは約5500人のフォロワーの方々に支えていただいています。

これまで、まともに自己紹介をしたことがなかったので、最初に自己紹介をした後、私がよくSNS上で取り上げている『なぜ中央省庁(霞が関)の働き方改革が必要なのか』ということについて述べていきたいと思います。

元官僚おもちとは?

2010年代前半に国家公務員総合職試験に合格した後、厚生労働省に入省し、いわゆる『官僚』という職業に就いていました。

よく『自称』と揶揄されてしまうこともあるので、別府省に異動になった際の書類を共有します。

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厚生労働省では、約5年程度働きましたが、今は厚生労働省の業界とは縁のない民間企業で働きながら、発信をしています(not 天下り)。

なぜ官僚を辞めたのか

これは過去、YouTube等でもお話したことがありますが、ポジティブな理由とネガティブな理由があります。

・・・ポジティブな理由

まず、ポジティブな理由は、本気で戻りたいと思い、努力すれば、また中央省庁で働くことができるかもしれない、と考えたからです。

私が退職した時、中央省庁の中途採用の門戸は、過去にないスピードで広がっていました(それでも数十人程度/年でしたが、今後もこの傾向が加速すると考えていました)。

多くの公務員の方々は、定年まで働く選択をします。彼らを心の底から尊敬しています。

一方、私は民間企業で力を付けて、その力が中央省庁に還元できるのであれば、戻れるよう努力しますし、それよりも民間の方が社会貢献できるのであれば、そのまま民間で働き続けよう、と思ったのです。

・・・ネガティブな理由

ネガティブな理由は、多くの方々に迷惑をかけてしまっているという葛藤に耐えられなかったことです。

まず、当時の私の働き方を図解したものを共有します。連日タクシー退庁で月200時間以上は残業をしていました。これは私が最後にいた部署が、とある不祥事対応をしていた時のものです。数十人規模の部署でしたが、最終的には7~8人が心身の限界を迎え、休職していました。

組織は人員不足に陥っており、誰かが休職してしまうと、人員補充がされないまま、業務が増えてしまい、これは本当に厳しい状況でした。※休職なさった方を責める気は一切無く、中央省庁の定員・人事の構造上の問題だと思っています。

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そして、次がネガティブな退職理由の各論です。

私自身、体力的に長時間労働に耐えられなかったわけではなく、『他の方々に迷惑をかけているのではないか』ということが最も辛い経験でした。

具体的には、平日は家族(私は結婚しています)との時間が取れませんでした。退職する直前の約半年の平日は、妻が動いている姿は、寝返りを打つところしか見たことがありませんでした。困った方々を支えたいと思い官僚になったのに、自分自身、周囲の家族を幸せにできていないのではないか、という葛藤を抱えていました。

また、睡眠不足の影響か、普段ありえないようなミスを犯してしまう。常にギリギリの状態で、業務が一時ストップして、遅延しまう。ここでも、国民の方々に迷惑をかけているのではないか、という葛藤を抱えていました。

最終的に、不祥事対応が落ち着く兆しが見えた途端、緊張の糸が切れ、退職を決意しました。

なぜ『元官僚』として発信をはじめたのか

民間企業に転職した当初、自分がこのような発信をするとは全く思っていませんでした。

ただ、退職後も数名の元同僚から転職の相談を受けている中で、彼らの転職理由の多くが、中央省庁の働き方に起因するものであることに気づきました。

その時、私は「彼らの働き方は、一般の国民にも悪影響が出るかもしれない。なんとかしなければ」と思ったのです。それで、2020年の抱負として情報発信を掲げ、YouTubeやTwitterで発信することにしました。

また、発信のもう一つの目的として「官僚を知っていただきたい」という思いもありました。

皆さん、普通に生活していると、現役の官僚に出会うことは、ほとんどないと思います。生まれが都会ではない私も、そうでした(忙しくて出会う機会すらほぼないかもしれませんが・・・)。

国会議員と官僚の違いも、私は官僚を志すまで明確に分かりませんでした。接点がなければ「よくわからない存在」というのが多くの方から見た官僚像なのではと思います。

一方で「知り合いに官僚がいる方で、理由もなく官僚を批判する方は少ない」というのが私の実感でした。

よく分からないから、高給取りや天下り、不正とかのイメージで「官僚」という言葉がとらえられがちです。

もっと官僚を知っていただきたい。そういった目的も含めて、動画・SNSは、役所(官僚)、国会議員に加えて、一般の方に向けて発信しています。

なぜ中央省庁の働き方改革が必要なのか

やっと本題ですが、もう答えがわかっている方もいらっしゃるかと思います。

中央省庁の働き方改革が必要な理由は『その改善が、日本にとって圧倒的にメリット』だからです。

官僚も人間ですから、月何百時間も残業していたら、当然ミスが出ます。民間企業の働き方が改善されている中、中央省庁がブラックだと退職者・転職者も増えます。そして、国家公務員試験の応募者は過去最低となっている現状からも、このままだと人材が集まらないことは、火を見るより明らかです。

当然ながら『人間が月何百時間も残業していること自体が、非人道的である。』よって変えるべき、という側面もあると思います。

ただ、それだけが本質なのではなく、働き方を改善することで、中央省庁の職員が疲弊した頭ではなく、リフレッシュした頭で施策を検討することができます。ブラック労働で敬遠している学生も戻ってきてくれるかもしれない。日本にとって圧倒的にメリットではないでしょうか。

反対に、これを改善せぬまま続けていくと、いつか中央省庁の業務が本格的に崩壊し(中の方々からは、もう崩壊中とも聞きます)てしまい、日本にデメリットを生じさせてしまうでしょう。

これが『なぜ中央省庁の働き方改革が必要なのか』に対する、私なりの答えであり、これを軸に今後も発信を続けていきます。

引き続きの応援を、よろしくお願いします。


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