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開発品の勝敗は売りで決まる

心震える気付き495

本日の日経朝刊 My Story
タカラトミー会長 富山幹太郎さんのお話に心震えました。

富山会長は、ボウリングに熱中しすぎて
早大を中退したと言う経歴の持ち主。
仕事中でも、毎日 作務衣で過ごしていると言う
独特の世界観を持つ経営者だ。

(以下抜粋)

バンダイが大ヒットさせていた
「キン肉マン消しゴム」を手に開発本部に乗り込んだ。
「何だ、ただの消しゴムじゃないですか。動きもしない。
 うちのやる仕事じゃないですよ」
と担当者は言い放つ。
「たかが消しゴムが今、されど1億個も売れる。
 その理由を考えずに技術をひけらかす開発なんて」
父の誇ったものづくりの総本山の解体を決めた。
分野ごとに外部の会社と組み、
時流に乗った製品を出せばいい。

エンジニアが自分の技術に誇りを持つ事は良いことである。
と言うか、日夜、見えない世界中のライバルを相手に、
懸命に研究開発に取り組んでいるエンジニアにとって、
自身が携わっている技術に誇りを持つのは当然のことであろう。

その技術が、ここまで育ってきた背景を全て知っているが為に、
他社比較した場合、どうしても、自らの評価は甘めになる。
数値で判断できるところは、冷静に判断できる。
しかしながら、コンセプトなど数値に表せないものは、
エンジニアとしての矜恃が判断を鈍らす。

ライバル他社がヒットさせた製品。
素直に負けを認めたくない、その気持ちは物凄くわかる。
ましてや、ライバル・バンダイがヒットさせたのは、
ただの消しゴム。
動く玩具をつくってきたエンジニアとしての矜恃。
タカラトミーのエンジニアたちは、素直に負けを
認めたくなかったのであろう。

売れている物には、必ず理由がある。
お客様は神様である。
お客様は間違わない。
間違っているのは、売れない製品を開発している
あなたである。

企業のエンジニアであれば、売れてナンボの世界である事を、
都度、認識する必要がある。
スペックで勝っているのに、売れないのは営業のせいだ!
と考えるのは、大間違い。 勘違いも程がある。
仮にノーベル賞を取ろうとも、
お客さんに受け入れてもらえない、
売れない技術には価値がないのである。

世の中の求めている事と、自分が追求している技術は、
ベクトルの向きが合っているのか?
売れている商品を批判するよりも、
売れている理由を冷静に分析し、
自らの方向性を微修正し続ける。
それを継続し続けるエンジニアのみが、
ヒット商品を生み出すことができるのであろう。

何も技術開発に限ったことでは無い。
他の事でも、同じことが言えるのではないか?

例え、自分より能力が劣っていると思える人であっても、
売れている、お客様から支持されている、と言う事は、
何らかの魅力、自分には無い利点があるはずである。
それを冷静に分析し、自らの変化変容の羅針盤とする。

「素直な心」
何を成すにも大事な基本となる心構えである。


【気付き】
自分より劣っていると思う相手に負けることがある。
お客様は正しい。
そこには、何らかの理由が存在する。
それが何かを追求するのか?
それとも、お客様が間違っているとするのか?

支持されるのには、必ず理由がある。
その理由が分からなければ、
いずれ時代の波に飲み込まれていく。


【本日の名言】
失敗する人には二種類ある。
考えたけれども実践しなかった人と、
実践したけど考えなかった人だ。
by ローレンス・ピーター


#日経 #エンジニア #素直 #矜恃


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