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スクラム初心者チームが理想のチームへ近づくために行ったふりかえり

えわです、製造業の会社でモバイルアプリ開発をしています。
昨年からスクラムで開発を進めていますが、スクラムマスターも含めて全員スクラム開発未経験でスタートし、もがきながら進めています。

初めての投稿ではそんなスクラム初心者チームが抱えてた課題と、理想のチームへ近づくために行ったふりかえりについて書きたいと思います。
そんなのふりかえりじゃないよってまさかりを投げたくなる方もいるかもしれませんが、ふりかえりの場を利用してチームで立ち止まって課題を認識し改善に向けて動き出すきっかけを作った話なんだとゆるく読んでもらえればと思います。

初心者チームであることによる課題

全員アジャイル、スクラム開発未経験で、加えて外部からコーチを呼ぶこともできていないため知見がとにかく足りていません。
さらにそもそもチーム全員のアジャイル、スクラム開発に対する興味や理解もそろっていません。
そのためたどり着きたい理想の状態の認識が各自ぶれていたり、何か課題があったとしてもそれを課題と認識することができずに放置してしまったり、認識できた課題に対しても効果的なプラクティスを知らずどう解決したものかと困ってしまうことがありました。

解決が難しかった具体的な課題

チームとして力を発揮する働き方ができておらず、働くスペースや開発する製品を共有しているだけの状態になっていないかと個人的には感じているけれども、チーム全員がその感覚がを持っているわけではない状況でした。
もちろんこの状況でチームで話し合いができればいいのですが、自分自身課題がありそうだともやもやしているものの言語化できていなかったため断念していました。

解決のためふりかえりの場でやったこと

コミュニティで偶然知った動画がもやもやの一部を言語化してくれていため、ふりかえりを行うタイミングでその動画をチームで見るという選択を取りました。

そして動画を見たあと、各自の感想やトライしてみたいと思ったことを共有する時間を取りました。

動画を使った狙い

・現在の課題を短時間で共有できる
チームは動画で言われているシングルループの状態であり、ダブルループにつながる知識の共有に消極的な雰囲気がありました。
知識共有のために時間を割いても効果が出るタイミングの見通しが立ちづらく、それよりはシングルループの状態のまま仕事に時間を割いたほうがいいのではないかという考えがあったのではないかと思っています。
そんな状況でチームが目指したい姿を各自そろえるための話し合いができれば理想なのですが、そのための時間や事前知識が十分ない状況でした。
しかしアジャイル、スクラム開発を通して少なくともこれまでよりよい状態になれるだろうというぼんやりとした認識は全員持っていたこともあり、動画を通して組織学習の重要さについて理解できれば、現在のチームの課題を短時間で共有でき解決に向けて動けるのではないかという狙いがありました。

・ふりかえり手法のマンネリ化解消
全員アジャイル、スクラム開発未経験の初心者チームなので、ふりかえりの手法も開始から1年間ずっと同じままでした。
KPTでKeepが一つも挙がらなかったり、直近のスプリントで起きたProblemの表面的な解決に走ってチームの根本的な課題について話し合うことができておらず、ふりかえり手法のマンネリ化を感じていました。
他の手法を取り入れるという解決方法もあったとは思うのですが、それよりもまずはふりかえりを通してチームは何を実現したいのかという目的を再確認したいと考えました。
そのためにチームの根深い課題の1つである組織学習について考える機会を得られる動画を見ることで、直近のスプリントだけでなくもっと長期的な目線でふりかりをしていいし、したほうがいいんだという視点を増やせればという狙いがありました。

・先人の知恵がたくさんあることを知る
コミュニティの存在を知らなかったり、存在こそ知っていてもどんなものなのかを知らず興味を持っていないチームメンバーばかりでした。
そのため何かチームや自分自身の課題を抱えていた人がいたとしても、その課題を解決するために参考になる考え方知識を自分で1から考え答えが出せなかったり、SMが与えてくれることを期待したり、技術書などに頼るにしてもどう探したらいいかを知らず一人で抱え込んでしまうような状況だったのではないかと思います。
しかしコミュニティに参加していると、実際には自分が抱えている課題はどこかの誰かも同じような状況で悩んでいることが多く、またすでに先人が解決方法の一例を示してくれている状況も多くあると私自身感じます。
そのため外の世界にヒントは溢れているし、抱え込まずに外の世界を主体的に見に行ったほうがいいのではないかという気付きがチームにあればという狙いがありました。

どのような効果があったのか

動画を使ったことで、研修に参加したり本を読むより短時間で認識を揃えることができました。
また状況によっては本や動画に頼らず自分自身の言葉で話し合うことが大切なこともあるとは思いますが、今回は私というフィルターを通すよりも説得力があったのではないかとも思います。
ペアプログラミングやそれ以外の場も含めたノウハウ共有が増えています。
うまくペアプログラミングを実施できていないケースが発生するというまた別の課題も出てきていますが、それはまた別の機会に。

長期的な視点での改善提案や、薄々気づいていたけれど放置していた課題についての話し合いが生まれ、ふりかえりやチーム内での対話に対する積極性が上がったようにも感じます。
さらに最近はチームが目指したい姿や根本的な課題についての話し合いの重要性の意識が変わり、話し合いの時間が確保できるようになってきています。

今回見た動画以外で、自分自身の課題が解決できそうな動画がないかという相談をしてくれたメンバーもいました。
技術書は購入や読む時間確保のハードルが高いのかもしれませんが、動画という形で公開されているものがあるならばという意識変化があったようです。
もっともその相談の際には適した動画を私が知らず、代わりに値段が安かったりあまり長くない技術書を勧める形にはなってしまいましたが…

感想

動画を使ったふりかえりによって、おおよそ事前の狙い通りの効果を得ることができました。
私がふりかえり方法に工夫をしたことがきっかけになったのかはわかりませんが、より良い状態を目指そうという姿勢がチーム全体に生まれてきています。
全員初心者かつチームのための時間をあまり取れないというコンテキストでは、動画を使ったふりかえりは効果があったのではないかと感じています。

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