🇺🇸ゲイツ財団: AIへの公平なアクセス形成に貢献する、約50の世界的な保健・開発プロジェクトを選出
以下の文章は、個人的な試訳です!
地域主導のイノベーションの為のグローバルな呼びかけは、低・中所得国における人工知能(AI)大型言語モデルの使用に関するエビデンスベースの構築を支援、世界中のコミュニティの生活と福祉を改善する。
シアトル(2023年8月9日)
ビル&メリンダ・ゲイツ財団は、直近のグランド・チャレンジの提案募集に対する圧倒的な反響を受け、AIを活用した大規模言語モデル(LLMs: AI-enabled large language models )を用いて地域社会のためにグローバルヘルスと開発のソリューションを開発する約50の助成先グループを発表。
世界的な不公平の是正という目標に基づき、今回の提案募集では特に中低所得国(LMICs: low- and middle-income countrie)の研究者やイノベーターを対象とした。
AIを活用したLLM技術の責任ある安全な利用は、世界で最も困難な健康問題や開発問題の解決に役立つ可能性を秘めている。
しかし、これらのモデルが中低所得国で有用である為には、中低所得国の研究者が、急速に進化するこの技術の設計、応用、テストに参加する必要がある。
しっかりとしたエビデンスベースがあれば、中低所得国全体で公平な方法で問題に対処する為の、このようなツール利用や応用に関する知識のギャップを埋めることが出来るだろう。
ナイロビの若手テクノロジー起業家の為のインキュベーターiHubの共同設立者であり、財団の新しいAI倫理・安全諮問委員会の委員を務めることに同意したジュリアナ・ロティッチ氏は、「テクノロジーの進歩は、既存の差別、不平等、偏見パターンにより、世界の多地域で不均一な利益を齎すことがあまりにも多い」と述べた。
「AIも同様、北半球で開発されているツールの殆どは、低資源地域のデータを使用しており、不完全であったり不正確であったりすることが多い。AIの可能性を最大限に引き出す為には、エンドユーザー(末端利用者)のニーズを念頭に置き、責任を持って倫理的に開発されなければならない。
地域からインスピレーションを得ることで、解決策は変革的なものとなる。」
この発表は、同財団のグランド・チャレンジ・プログラムの一環であり、差し迫ったグローバルヘルス(国際保健)と開発の問題を解決する為のイノベーションを促進するイニシアティブ(取り組み)の一種である。
同財団は、提案募集の掲載から2週間以内に1,300件以上の提案を受け、その80%以上が中低所得国からのもの。
17の中低所得国から選ばれた約50のプロジェクトは、最もインパクトのある場所でグローバル・イノベーション・エコシステムを育成するという財団の目標に沿ったものである。
各受領者には、研究プロジェクトを推進する為に最高10万米ドル、総額500万米ドルの助成金が授与される。
これらのプロジェクト成果は、今年10月にセネガルのダカールで開催されるグランドチャレンジ年次総会で共有される。
「ゲイツ財団のザメア・ブレイ技術普及担当暫定副部長は、「最も困難な課題に取り組むイノベーターたちの活気に満ちたエネルギー、限りない創造性、揺るぎない献身 (コミットメント)は、AIが社会的弱者の生活に齎すポジティブな影響に対する関心と興奮の波を巻き起こしている」
「これら地域のイノベーター達は、AIと人工知能(AI)大型言語モデル(LLM) が持つ地震のようなパワーを活用し、地域社会とそれ以外にとってパラダイムシフトとなり得る方法を模索している。
私たちは、最もインパクトのある技術の進歩には、最も影響を与える人々とともに始まり、終わるものが含まれると信じている。」
グランド・チャレンジによって、既存技術を基礎とするよう促された研究者たちは、中低所得国全体で、保健と開発の幅広い課題に取り組むことになる。
例えば、20分に1人の女性が出産で死亡しているインド最前線の保健ワーカーが、高リスクの妊娠管理を改善するのを中低所得国がどのように支援するのか、作物の病気や害虫の壊滅的な影響に晒されているウガンダの個々の零細農家に農業アドバイスを調整するのか、マリの教育成果を改善する為に教師コーチングを提供するのか、ナイジェリアの農村部の女性農民や事業主に音声テキスト インターフェースを介し重要な財務アドバイスを提供するのか、などである。
選ばれたプロジェクトの全リスト↓
「財団は20年に渡り、世界で最も困難な問題を解決する為のイノベーションを模索、その種を蒔いて来た。
ゲイツ財団のグローバル・パートナーシップ&グランド・チャレンジ担当副理事であるケデスト・テスファジョルギス氏は、「私たちは、健康と開発の進歩を加速させる為には、できるだけ多くの分野、できるだけ多くの国のイノベーターが協力することが必要だと考える。」
「AIの可能性を最大化するには、創造的な思想家たちが独自の視点を持ち寄り、互いに学び合うグローバル・コミュニティが必要。」
これらのプロジェクトが始動する中、ゲイツ財団は、AIの恩恵が、安全性、倫理、公平性を維持した形で、人工知能(AI)大型言語モデルのコミュニティを中心に、誰にとっても適切、且つ手頃な価格で、利用しやすいものとなるよう、世界中のパートナーと協力し、彼らから学び続けることを熱望している。
「グランドチャレンジ」とは。。
グランド・チャレンジ・プログラムは、未解決の問題に対する解決策をクラウドソーシングすることで、イノベーションを生み出し、進歩を加速させることができるという、100年以上前からある考えに由来。
ビル&メリンダ・ゲイツ財団とそのグランド・チャレンジ・プログラム・パートナーは、2003年に、最も支援を必要としている人々の為に、世界的な保健と開発の緊急課題に注目し、その解決に取り組む為に、公募型の助成金提案募集であるチャレンジを初めて実施した。
グランド・チャレンジ・パートナーは、100カ国以上の多様な問題解決者に3,600件以上の助成金を授与し、同時に、最もインパクトのある場所でグローバル・イノベーション・エコシステムを育成して来た。
財団とそのグランド・チャレンジ・パートナーは、最も困難で緊急性の高いグランド・チャレンジに取り組む世界中のイノベーターを支援する為、今後も提案募集( RFP: Request for Proposals ) を立ち上げる予定。
詳細: grandchallenges.org↓