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エッセイ

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記事一覧

2023年をトレースしてみる:異物としての労働

今年ももうすぐ終わる。いろいろあったけど、何もなかったような感覚がある。忘年会せずとも、…

shogo
4か月前
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ぐったりとした日曜の昼間に

死んだら周りの人たちは泣いてくれるのだろうか、ということを考えているときはだいたい気分が…

shogo
11か月前
6

bonobosの解散によせて

bonobosが解散した。それもあっけなく。 昨年夏のリキッドルーム公演がわたしにとって彼らの…

shogo
1年前
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2022年とは(わたしにとって)なんだったのだろうか?

2022年はどんな年だっただろうか、と一言で言い表すのは難しい。いつも年の瀬とはそういうもの…

shogo
1年前
11

雑多な政治(ポリティクス)、洗練された美学(エステティクス)

もう2週間前になるが、友人に誘われ、ハンガリーはブダペストとデブレツェン、オーストリアは…

shogo
1年前
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グローバルとローカルの間(はざま)を足掻く

 日本人初のミネルバ大学(Minerva Schools at KGI)入学者である日原翔は、出願する大学を選…

shogo
5年前
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1月最後の構築主義

 1月最後の日にこれを書いているのだが、「〇〇最後の・・・」といえば「平成最後の・・・」という言説を思い浮かべる。平成最後の夏。平成最後のクリスマス。このように言うことによって、平成が終わるから、終わるまでに何かをやり遂げよう、思い出を作ろう、と考えるようになる、というわけだ。何か課題を終わらせようとするときに、締め切りを設けるのと同じようなシステムである。締め切りを設けることで、課題を終わらせるための計画が立てられ、それに従って行動することができる。計画に従わなくとも(ある

2001/9/11-2019/3/29

On Kawara, "Sept. 13, 2001" (2001), Akira Ikeda Gallery, Liquitex on Canvas.  3月29…

shogo
5年前

寄付すること:パフォーマンス、メトロ、マイノリティ

1  アメリカでは行動することが評価されるのではないか、と思う。  私は宿泊先からマンハッ…

shogo
5年前
1

異-種/同-種であることへの視線

皐月の終りに、  帰国して一週間あまりが経った。随分と長い間、アメリカにいたかと思ったが…

shogo
5年前
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「観光の哲学」を求めて

今月25日から、三重県の御浜町に行くこととなった。以下はその前に書いたもの。  私は哲学を…

shogo
4年前
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イヴの夜に何を想うか

クリスマスイヴの夕方、成田に着いた。 クリスマスイヴという言葉に引っ掛かる。 成田にはいつ…

shogo
4年前
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生権力と恐怖についての端書

フランスの哲学者ミシェル・フーコーは「生権力」という語を用いて、権力による人口管理、つま…

shogo
4年前
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人類最後の構築主義: 「壁」を不安をもって迎えるために

社会的隔離政策 (social distancing) は権力による政策ではなく、もはや市民単位で始まっている。五人組、いや七十億人組かのような相互監視体制。アクティビズム、市民のイニシアチブとしての政策、連帯。民主主義。 隣人が「あれ」を持っているかは不確かである。持っているかもしれない、という不安は不確かさからくる。 隣人とのあいだに壁を設ける。私は、団地のアパートメントの部屋と部屋とを別ける薄い(アスベストの)壁のことを言っているのではない。私は社会的な「壁」、つま