ある現象の背後には見えない要因が多数存在する
ハインリッヒの法則(1:29:300)は、重大事故の背後には
多くの軽微な事故やヒヤリ・ハットが存在するという経験則です。
ファン化の法則は、ファンの数に比例してアンチも増えるという現象です。
両者の共通点は、ある現象の背後には見えない要因が
多数存在するということです。
そのため、ファン化の法則にも
ハインリッヒの法則が適応されると考えられます。
メリットのある結果についてもう少し説明しましょう。
行動の「結果」を「タイプ」「タイミング」「可能性」
の3つの組み合わせで考えてみます。
【タイプ】ポジティブか?ネガティブか?
【タイミング】すぐに生じる結果か?後で生じる結果か?
【可能性】確かな結果か?不確実な結果か?
この組み合わせのうち、もっとも行動が繰り返し発生しやすいのが、
「PST」、つまり、
ポジティブな結果がすぐに確実に出るという場合です。
ヒヤリ・ハットを報告したら、
怒られずに感謝された(P)
しかもその場ですぐに(S)
もちろん毎回必ず(T)
という図式です。
このように考えると社風や文化にしてほめることで
業績も向上するのは理にかなっています。
私のクライアント企業様は、
社員からのヒヤリ・ハット報告が少ない状況にありました。
ヒヤリ・ハットが報告されないと、
重大な事故が起きる前兆を見逃してしまい
リスクが高まる可能性があります。
これが続くと、事故発生時の損失は計り知れません。
また、企業イメージにも大きな影響が出る可能性があります。
企業Aは、社員に対してヒヤリ・ハット報告が
ポジティブな行動であると教育しました。
そして報告した社員にはすぐに感謝の意を示し、
その行動が確実に評価される文化を作ります。
ポジティブ(P):
社員がヒヤリ・ハットを報告すると、感謝される。
すぐ(S)
報告したその場で感謝の意が示される。
確実(T)
このような報告は必ず評価され、それが社内で共有される。
このように、PSTの原則を活用することで、
ヒヤリ・ハットの報告が増え、それが結果として
企業全体の安全性を向上させる可能性が高まります。
ここを探るがポイントです。