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4.24章 騒動

「閣下!ご無事でしたか!」

「どうしたの?インジェ君。そんなに慌てて」
前線基地に着くなり、インジェがセンチネルに駆け寄り身の安否を気遣う

「さっきから、閣下の端末に連絡を入れていたのですが全然反応が無く、皆、心配しておりました」

「私なら、この通り、無事だけど。そんなに何があったの?」

「はっ!これを見てください」
映し出された光景に息をのむ
そこには、街中に溢れかえっているボットが映し出されていた。

「どうしたの!」

「それが、30分程前、これらのボット達がジノタワーよりあふれ出してきたのです」
「兆候は何も無く、突然に」
襲われる市民たちが移しされる。
街に配備した防衛部隊が襲い掛かるボットから市民を守るように立ちはだかる。
しかし、数が多い。
配備された部隊では対応しきれていないのが現状だった。

「みんな!連戦で悪いけど出撃するわよ!」

「わかりました!」

「インジェ君、作戦は?」

「はい、こちらに用意してあります」
そう言って、作戦を提示する。

「うん。それが今できる一番確実な方法よね」
「閃光弾も用意して!あと、拡声器」

「まずは、街のみんなを前線基地まで退避させるわ!」

「わたくし達にも手伝わせてくださらない」

「ソラナちゃん、気持ちは嬉しいけれどこれは戦場なの」
「戦う力が無いあなたに出来ることは」

「無いとでもいいたいの?それは、先入観」
「最適な避難経路を示す」
「それも防衛線では大切よね?」

「そうね。やってくれる?」

「いいわよ」

「なら、私は、ソラナちゃんを守るわ」

「ニトロ、ありがとう」

「いいよ。ソラナちゃんを守るために今回ついて来たんだよ」
「気にしないで!」

「優しいのね。ニトロ」

「それじゃあ、わたしも!」

「ちょっと、あなたは戦えないでしょ?」

「戦えないのはソラナちゃんでしょ?」

「ぐぐぐー」
「でも、あなた、的確な指示を飛ばすことはできて?」

「うーん。それは、無理」
「でも、わたし、強いかも!」
そういって、ガッツポーズをとるフィー

「わかったわかったから」
「連れていくわよ」

「ネル、フィーも連れていくけれどいいかしら」

「いいわよ。今は少しでも戦力が欲しいのだから」
「でも、無理しないでね。ピンチになったら、救援のトランザクションを打ってね」

「わかったよ。ネル姉ぇ!」

「いい返事ね。任せたわ」

「話は、まとまりましたか?」
そこに、戦闘準備を整えた兵士たちとインジェが揃っていた。

「よぉ!」
赤い短髪の少女が軽く挨拶をする。

「アカッシュちゃん!久しぶり」

「ニトロも、元気そうだな」
「今日は、センチネルとのツーマンセルか!?」

「ううん。私は、ソラナちゃん達の護衛」
「ツーマンセルは、多分、アカッシュちゃんの担当だよ!」
「ネル姉ぇは、任せたわね」

「おう!任せれた」
勢いよく返事をする短髪の少女

「あなた、あの子は?」

「うん。あの子は、アカッシュちゃんっていうんだ」
「士官学校の時の友達」

「違う!ライバルだ!」

「と、本人は言っているけれど?」

「うん!ライバルでもあり、一番のお友達だよ」

「そうなのね」
「って、あなた、士官学校に行っていたのね」

「うん。意外だった?」

「正直意外よ」
「のほほんとした、あなたが軍の士官学校だなんて」

「そこの銀髪!」

「何?わたくしの事を言っているのかしら」

「そうだ、お前以外にだれがいる!」

「お前だなんて、失礼ね。初対面なのに」
「わたくしは、ソラナと申します」
「あなたのお名前は?」

「あたしは、アカッシュだ」
「ソラナ、お前は、こいつの戦闘時の姿を知らないからそういうんだ」

「お前というのは、この際置いときましょう」
「そんなにニトロがすごいの?」

「すごいなんてもんじゃない。鬼の様な強さだ」
「だから、安心して守られるといい」

「なるほど、良いライバルというのは本当みたいね」

「なんで?」

「お互いに認め合っているのだもの」

「アカッシュ、十分にニトロには頼らせてもらうわね」

「ああ、そうしろ」

「不器用だけれど、いいお友達ね。ニトロ」

「そうだよ!アカッシュちゃんは、とても素直でいい子なんだよ」

「やめろ!そんな目であたしを見るな。さっさと行くぞ!インジェ!」

「あのー、僕、一応君の上官なんだけれど」

「んあ!?」

「ひっ、なんでもありません」

「ったく、行くぞ」

「私達も行くわよ!皆を助けるのよ」

「わかったわ」
アカッシュに引っ張られるようにインジェが退場していく。
センチネルと、ソラナ、ニトロ、そして、フィーが続く。
基地の外には、高速移動艇があり、乗り込み移動を開始した。






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