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「ふぅー。みんな、おつかれさま！」 「おつかれさまなんだよー！」 ステージを終え、汗で濡れたピアーナ そっと、差し入れのタオルと冷たい飲み物が渡される。 「ありがと！ん！よく冷えているわね。タオル。生き返るわ」 「って、エブモス！あなた、何しに来たの！？」 「？」 小首を傾げ、ポカンとするエブモス 手渡したタオルと飲み物があった手がそのままになり、どこか滑稽だった。 「敵情視察？」 「なんで、そこ疑問形なわけ！？」 ＝＝＝＝＝＝＝ 場所を変えて、楽屋裏 互いに椅子
「ソラナちゃん！大変なんだよ」 「貴女はいつも大変そうね？何があったのかしら？」 「Solmailさんが元気ないんだよっ！」 「ああ。それならば、知っているわ」 「なんで！？」 「まだ、彼女は育ち盛り。色々あるわよ」 「落ち着いて、見守ってあげれば大丈夫よ」
「アヴァリアちゃん！もう少しでデビューだね！」 「うん」 「で。エブモス。その手に持っているのは何かしら？」 「サイリュウムだよ！ソラナちゃん」 「わたしがファン1号なんだ！」 「ありがとう。がんばるね」
「すごい量の草！」 「ソラナちゃん。どうしたの？これ」 「grassがまだ、Token発行していないから、わたくしが預かっているのですわ」 「すごいねー」 「あっ！よく見たら、草っていうか、海藻みたいだね！」
「最近、エスプレッソ。よく飲むね」 「ええ、豆の配列、その『分散』が効いているから」 「わけがわからないんだよっ！ソラナちゃん」 「あら？エブモス。わたくしは、大切なことを言っただけですよ」 「意図を読み取るのは、貴女の仕事よ」
「これで、おっけ！」 「あら、貴女がお弁当を作っているなんて珍しいわね？」 「そうかな？」 「明日は、アバランチ姉ぇが朝から用事で出かけるから」 「作ってあげたのね」 「うん！」
「ONIモスー！」 「おにもつ？」 「違うよっ！鬼モスだよ。ソラナちゃん！」 「ごめんなさいね。てっきり貴女が自分を卑下しているものだと」 「そんなことしないんだよっ！」 「EVMOSは、なお、進化中なんだよ」 「わかっているわよ」
「今日の2人、動きのキレが何かちがうわね」 後ろで、曲の振り付けを見ながら、オズモがシークレットに問いかける。 「うん。なんていうか。吹っ切れたというか。互いの見せるところ見せ尽くしたというか」 「いい意味で、遠慮がなくなっている。そんな感じがするね」 「なるほどねぇ〜」 「オズモさん。また、変なこと考えてません？」 「オズモさんが想像する様なやましい事なんてないと思いますよ」 「それとも、自分のプロデュースしているアイドルに対して、そんな目で見ちゃうんですか？」 「
「ソラナちゃん！素敵。どうしたのそれ！？」 「ありがとう、エブモス」 「これは、わたくしが新しいステージに上がったお祝い」 「一曲、作りました」 「自分で祝っちゃうんだねっ！」 「わたくしの同胞、solmail、solchatの分もですからね」 「わたくしが祝いますわ」
「ソラナちゃん、機嫌いいね！何かあったの？」 「これよ」 そう言って、ソラナは紙に書かれたURLからエブモスにアクセスする様に促した。 https://www.baxus.co/ 「ウイスキー？」 「そう。これが、わたくしのところに来ると思うと、ね」
「はぁはぁ」 「はい！アヴァリアちゃん」 エブモスが差し出した冷たいドリンクを一気飲みするアヴァリア そこに歌姫としての余裕は、なかった。 もっと、響くように。 想いを届けられるようにと、苦手なダンスも、全力で行なっていたのだった。 「アヴァリア、体力鍛えなきゃね。私と一緒に稽古する？」 「イーサ、あなたのは武術の型でしょ！」 「でも、するわ。あなたの足を引っ張る訳にはいかないから」 「いい感じにまとまってきているね。でも、まだまだだよ」 「シークレットくん！」
「エブモス、それが例の」 「オニモスなんだよ！ソラナちゃん!」 （似合っているわね） 「どうかな！」 「とても似合っていてよ」
「オズモさん！どういうこと！？」 イーサは、オズモに詰め寄り、そしてその手を腰へと伸ばし投げ技を仕掛けた。 綺麗なリズムで空中へと投げ出されたオズモ。 イーサのオズモを掴んだ手を起点にクルリと回転。 逆にイーサへとオズモが覆いかぶさる形で落下。 寝技へと移行した。 「私を相手に『密着する』技を繰り出すなんてね」 「大したものだわ」 舌なめずりをしながら、イーサの関節を固め、身動きが取れない状態へと持ち込み 自由になった片手をイーサのどこかへと滑り込ませる。 「ひゃう！
「BWBさん、おつかれさまー！」 パァンとクラッカーが鳴らされる 「エブモスはしゃぎ過ぎよ」 「ソラナちゃん。新しいトークンの誕生なんだよっ」 「わかりました。わかりましたわっ！」 「だから、クラッカー片手に躙り寄るのやめてくださらない？」 「それに大切なのは、これからよ」
おやすみ中、立ち入り禁止 そう書かれた板が部屋の前にぶら下がっていた。 「エブモス、今日は、本気で休んでいるみたいね」 年に一度あるかないか。 それは、籠って考え事をしているのか。 それとも、ぼーっとしているのか。 「後者ね」 「即決すぎなんだよ！ソラナちゃん」
