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3.73章 終わり-2

LiLa(L)観測中
Time out........


(ここは?真っ暗)
(わたしは、どうなっちゃったの?)
(ノノは?みんなは?)
(そうだ、キャプテンがみんなを傷つけて)
(わたしは)
降り下ろされる拳
砕け散るコア
地面に叩きつけらえれるエブモス

(はっ!)

「どうしたの?怖い夢でもみたのかしら?」

「あなたは、イーサさん?でも、なんか雰囲気がちょっと大人っぽいような」

「あら、あなたはイーサを知っているのね」

「うん。私の友達!彼女を助けるために、こうしてイーサさんの過去に来たのだけれど」
(こんなことになっちゃって)
(これじゃ、イーサさんを助けられないよ)

「そんなに俯いてては、勝機は見えないわよ」

「そんなこといっても」

「そんなことは、無いの。私には、わかる。それより、あなた、名前は?私は、PoW、今回はサファイアと呼ばれていたわ」

「わたしは、エブモスだよ。みんなはエブ子って呼ぶんだ」

「エブモス。良い名前ね。まるで、閉鎖的なイーサリアムと外界を繋ぐような、そんな希望に満ち溢れた響きを感じるわ」

「あなたは、今、死にかけているわ」

「やっぱり!」

「でも、安心して。あなたには勝機があるの」

「えっ、わたしには戦う力なんてないよ。あんなに強くなったキャプテンに勝てるわけがないよ」

「それは違うわ、エブ子ちゃん」

「あなたが歩んで来た道は、決してだれもが歩けるようなものではなかったわ」

「それは、みんなが助けてくれたからだよ」

「ノノやシークレットくん他にも、わたし達の事を助けてくれた人たちがたくさんいるから今ここにいるんだよ」

「うんうん」
「いいんじゃないかしら」
「ねぇ。それ、あの分からずやの駄々っ子にわからせてあげましょう?」

「わからずやって?」

「キャプテンよ。彼は、dappsを生まれながらにして消したいと思っている。でも、彼がああなれたのはdapps達のお陰なのにね」
「まるで、一人でやってきたかのよう」
「あんな偉そうにして。みんなに当たり散らして、私、久しぶりに頭にきちゃった」
「お仕置きしてあげましょう」

「どうするの?」

「私が、あなたに力を与えるわ。正確には、私が乗り移るのだけど」

「そんなこと出来るの?」

「ええ」

「でも、それは、あなただから出来ることね」
「他のコスモス系では無理ね」

「あなたには、EVMが搭載されているもの」
「だから、私も干渉できるの」

「EVM?」

「イーサリアムとの絆、そう覚えておけばいいわ」
「さぁ、もう、あまり時間がないからやるわよ」
「あなたの体を万全にする為、少しだけトランザクションで、時間を巻き戻すわ」
「よし、これでいいわ」

「いってらっしゃい」

「いってらっしゃいって、ちょっと!」
「それに、まだ聞きたいことがあるの!なんでイーサさんみたいな雰囲気なのかとか。まだ」

「あとで、わかるわよ。とりあえず行ってらっしゃい」
そういって、サファイアに送り出され、エブモスの意識は浮上した。

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