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4.26章 GNOシティ-2

次々と倒れるボット達をすり抜け、センチネルが前へと出て、シールドでボット達を弾き飛ばす。
物理的なシールドをかざすとそこから、淡い緑色の光が溢れ救援対象を包み込む。
残ったボット達の機銃が光を帯びた救護対象者を打ち抜くが、全ての弾丸が虚空へと消えていく。

「まだまだ!先行していくよ!」
そういうとセンチネルは跳躍し、それに先行してアカッシュも走り抜ける。
他の隊も、同じようにペアないし数人の組を作りながら確実に救援対象を助けていく。

「わたくし達も負けてられないわね!」
「助け出した人たちを誘導しましょう」

「うん!」
そういうとニトロとソラナ、フィーも戦線へと加わった。

「はい!みなさま!こちらですよ!」
声を張り上げながら、非難してきた人たちを船へと誘導する、
大人数が入ることが出来た船だが、直ぐに満員になる。
すると、前線基地へと出発する。
前線基地で救護した人たちを置いた船は、自動で戻って来る。
そこにまた、ソラナ達が誘導する。
その繰り返しであった。

ただ、敵も行儀よく待ってくれるわけではなかった。

「ニトロ、サイドからバードタイプのボットが編隊を組んでやってくるわ」
「接敵は、10秒後、フォームはアロー」
「迎撃して!」

「了解だよ!」
機材を使って測定した敵の情報をNFTに書き出しそれを渡す。
どこから撃破すればよいかまで記載された戦術付きのそれを見ながら、ニトロが空へと飛ぶ。
アカッシュを超える跳躍で、高層ビルと同等の高さまで飛んだニトロは、スナイパーライフルを構える。
全てが動くその中で集中力を研ぎ澄ます。
反動を逃がす為のトランザクションを周囲に張り巡らせた後、標準を合わせ、引き金を引く。
無音で、鋼の塊が排出される。
すかさず次弾を装填し、放つ。
連射される銃弾は、次々と敵のコアを打ち抜き、その体を地面へと落としていく。
その様は、持っている武器を錯覚させる程だった。
普通、スナイパーライフルは連射する為の武器ではないのだ。
それをアサルトライフルの様に使いこなすニトロ
その光景が余りにも自然だから、そういうものと認識するほどの流れであった。

「あいっかわらずすげぇよな!あいつ」

「でっしょー!ニトロちゃんは、私の自慢の妹なのです!」
得意げにえへんと胸を張るセンチネル
張ながら、横に構えた盾で薙ぎ払い、小型ボット達を吹き飛ばす。

「妹も妹なら、姉も姉だな!」
そういって、巨大剣で中型ボットを排出する大型ボット毎真っ二つに叩き切る。

「でも、アカッシュだって負けてないよ!」
プロテクターを纏った方でタックルして、ボットを弾き飛ばし救援対象との射線に割り込みボットの高速旋回支援機の射撃を無力化する。

「あたしのは、一撃必殺だからな!そこに関しては、負けるつもりはねぇっよ!」
巨大な剣を回転させると、独楽の様に回転し超大型ボットのシールドを切り刻みコアに刀身を突き立てて沈黙させる。

「あいつのすげーところは」
超巨大ボットが沈黙すると同時に、あたり一面に小型ボットがまき散らされる。

「どんな武器でも出来ちまうってところだっ!」
トリガーを高速で引き、カートリッジをロードし、トランザクションを張り巡らせた巨大剣に光を纏わせる。
それらは質量を持った存在へとなり、巨大剣を超巨大剣へと変える。

「ネル!選択的攻撃支援、頼む!」

「オッケー」

アカッシュの意図を読み取り、トランザクションを超巨大剣へと作用させる。
それらは、白い光を帯びた刀身を赤色に染め上げる。
同時にボット達のみを赤色に染め上げた後、アカッシュの斬撃が周囲を薙ぎ払う。

染め上げられたものだけが爆散していく。

「っと!ほんと、それ便利だよなぁ!」

「それは、練習したからね」
「こんな混線の時程、敵と味方を識別して攻撃出来たらってね」
そういって、地面に降り立ったアカッシュとセンチネルはハイタッチする。

「と、向こうもやるじゃねぇか」

「私達も、良い感じじゃない?」
「さぁ、もうひと飛びしましょう!」

「応!」
センチネルとアカッシュは、更に駆け抜けていった。

「敵影、全て沈黙っと」
スタッと、ニトロが地上に降り立つ。
すぐさま、ソラナがニトロにNFTを渡す。

「お疲れ様。早速だけれど、第二陣よ」
「こちらも狙撃してくれるかしら)

「りょーかい!」
そういうと、ニトロは再び飛んだ。

ソラナは、機器を使い周囲を索敵する。

「こっちの避難誘導は、全部完了したよー)

「ありがとう、フィー」
「よくやってくれているわ」
偉い偉いと、フィーを誉めるソラナ
周囲には、敵の存在は居なかったのでとりあえずはひと息だった。
空から攻めてくる敵に対しては、ニトロが対応し、地上は、防衛部隊が抑えている。
ソラナは、機器を使って敵の状態を把握し、適切に兵たちを運用していた。

「今、何割くらいいけたかしら?」

「ソラナさん、7割は避難が完了しました」

「よし、あともう少しね。あなた達、気合をいれるわよ」

「はい!」
すっかり、司令官の様になってしまったソラナ
しかし、その指示は適切なものであり、何度か訪れたピンチも、彼女の立てた戦術で切り抜けたのだった。

「もう少しね」
そう口にしたソラナの言葉を裏切るように近隣の船から爆発が起きたのだった。









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