grass-12

「相変わらずおっきなボットだね！さっさと片付けるよ」

加速の為に身につけていたブースターをパージ、それをすれ違いざまにぶつける。
自身は、トランザクションを発動させ爆発を起こし、反動を利用し勢い良くクルリと脚を回転させ前傾姿勢でライフルを構えボットへと向き合う。

脚の周辺にコントラクトを纏わせ、まるでロボットの脚部ブースターの様にジェットを噴出させ勢い良く回った。

ダンゴムシを模した様な巨大なボットは、咄嗟の事に反応しきれず、その背中を見せたままだった。

ニトロは、手に持つライフルにコントラクトを纏わせた。
すると、先端部分には、光の帯が巻きつき、螺旋を描きながら大きなうねりを生み出していった。

まるで、エアダスターの様な細かい空気の音を伴い形成されていく。

それは、極光で作った螺旋だった。

のっそりと、ボットがニトロの方に頭を向ける頃には、ニトロを覆い尽くす大きさになった螺旋を彼女は、叫び声とともに放つ。

「いっっけー！」
その声を合図にトランザクションのトリガーが引かれ弾かれる。

うねりにうねった螺旋は、銃口を離れ、ボットの頭へといたり。
ボットの身体を引き裂いた。

頭部は消し飛び、巨大なボットの最後部まで、極光の螺旋が通過した後は、形通りに削り取られていた。

「まだまだいるんでしょ。相手してあげるから、出ておいで！」
声を張り上げ、挑発する様に呼びかける。

空から、無数の光が地上へと降り注ぐと、それは、様々な形になった。