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4.110章 帰りましたわ

「ここは?」

「ようやく目が覚めましたか」
あたりを見回すと白衣姿の研究員、医師と思われる人物が複数いた。

「ここは、アラメダリサーチ本社ですよ」
そう答えたのは、スーツ姿の男性だった。

「そう。わたくし、戻ってこれたのね」

「戻ってきた?」

「ええ、そうよ。異世界からね」

「??」

「わたくしが出発してから、あれからどのくらい立つのかしら?」

「3日です」

「3日?」

「はい。3日間ソラナCEOは、眠り続けていました」

「なるほど。3日ね」
「その間のCosmos宙域のログを頂けないかしら。5分以内に」

「5分以内ですか。相変わらず時間に厳しいですね」

「当たり前でしょ!?わたくし達のは有限の時間しかないのよ。それでも、『上位存在』でもない限りね」
「わかったら、さっさと情報をよこしなさい!!」

「はい」
ふと、スーツ姿の男を見ると意外そうな顔をしていた。

「どうしたの?」

「いえ、なんでも」

「いいから!言ってみなさい。気になるでしょ。別に怒らないわよ」

「ええ、では。ソラナCEOは、少し柔らかくなられた様な気がします」
「それが、私としては嬉しくて」

「そう。あなたがそう思ったのならば、そうなのかもしれないわね」
「さぁ、満足したのなら、情報をちょうだい」

そう言われると、男は、研究員たちに混ざり話をはじめ、きっちり5分以内にログを取得してきた。

「これでいいわね。後は、A部隊に連絡して。後で、CEO執務室に来るように伝えてちょうだい」

「はっ!」
その言伝を預かり、男は出ていった。

(さて、後は、謎解きね)
(とはいえ、時間は少ないわね)

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