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ソラナちゃんのいちにち-11

「ということなの」
「だから、私の中には、ノノとゼロがいるの。彼女たちの思い出が私に夕焼けを懐かしいものと認識させているの」

「それ、話していいことだったの?」

「うん。ソラナが話してほしいって顔をしていたから話したのよ」
「それに誰にでも話す話しじゃないわ」

「なんで、わたくしに話してくれたの?」

「それは、ソラナが友達だからだよ」

「友達?わたくしを友達と認めてくれるの?」

「認めるも何も」
「ソラナとは、今日一日思いっきり遊んだでしょ」
「それに、いつも、私の鍛錬に付き合ってくれる」
「ちょっと変わっているけれど、あなたと過ごす時間は退屈しないわ」
「そういう関係って、友達っていうんじゃないかしら?」

「あなたに変わっているなんて、言われたくないわね」
「でも、特別感があって、いいわね」
ふん、と胸を張って強がるソラナ
それをほほ笑んで見守るイーサ

「あのー、お客様、料理を出してもよろしいですか?」

「「あっ!」」
「料理、食べてなかったわ」

「道理で、お腹が空いているはずね」
二人の雰囲気に圧倒されて、席に料理を運ぶのを躊躇っていたウェイトレスに代わりマスターが声をかけたのだった。

運ばれてきた料理を食べ終えた後、最後にアップパイが出された」
しかし、よく見ると形は、りんごのそれではなかった。
そして、香りもベリーの様な香りが混じる不思議なものだった。

「これは?わたくし、頼んでませんわよ」

「これは、私が頼んだの」
「ほら、お店の入り口に持ち込み素材の特別オーダー承りますって書いてあったじゃない」

「そういえば、そんな言葉が書いてありましたわね」

「そう、それでね。私の故郷、イーサリアム名産のフルーツを使って、デザートを作ってもらったのよ」
「食べてみてくれるかな」

「イーサの故郷の味でしょ?興味ありますわ。ぜひ、一緒に食べましょう」

「ええ」

切り分けたパイを口に運ぶ
甘酸っぱさと、濃厚なはちみつの様な甘さが口の中に一瞬で広がっていく。

「んん!」
「美味しーい!」

「でしょ?」

「それに何か疲れが吹き飛ぶ様な、そんな感覚がありましたわ」

「うん。そうなの。これは、リソースも補給出来ちゃう優れもののフルーツなの」
「ブロックタイムっていうのよ」

「ブロックタイム?」

「ねぇ、その話もしてくださらない?」

「」
「えぇ!いいわよ」

そうして、イーサは、ブロックタイムと自身の歩んできた道を話した。
ソラナは、それを真剣に時に涙しながら聞いていた。
一見、まったく異なる二人。
でも、その芯にある意志の強さは似ているのかもしれなかった。
互いに語り合い、帰宅したときには、0時を回っていた。

それぞれの部屋に分かれて、眠りにつこうとしたとき

「ソラナ」

「何?イーサ」

「これからも、よろしくね」

「もちろん」
そして、二人はそれぞれの部屋へと入り眠りに着いたのだった。

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